スタッドレスの新商品発売 TOYO TIRE

2020年07月16日

ゴムタイムス社

 TOYO TIREは7月14日、乗用車用スタッドレスタイヤの新商品「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」を8月1日より国内市場で発売すると発表した。全23サイズで、価格はオープン価格。なお、同商品はOBSERVE GARIT GIZの後継商品として6年ぶりの発売となる。

 タイヤのパターン設計にあたっては、CAEとAIを融合した同社独自のタイヤ設計基盤技術「Tモード」のスノー予測技術を活用し、最適な形状を設計した。また、「持続性密着ゲル」を配合した新たなコンパウンド「吸着クルミゴム」を採用し、アイス路面での吸水・密着・ひっかきの効果を向上させる一方、シリカ増量により高いウェットグリップを実現。
 その結果、アイス路面でのブレーキング性能は同社従来品(オブザーブ・ガリットギズ)比で8%良化し、さらにウェット路面でのブレーキング性能は制動距離を同18%短縮した。

 主な商品特長は、「密着性アップによるアイス性能の向上」「アイス性能経年低下の抑制」「ウェット性能の向上」が挙げられる。

 「密着性アップによるアイス性能の向上」では、新たなコンパウンド「吸着クルミゴム」を採用。氷の表面にできるミクロ単位の水膜を瞬時に吸水するとともに、やわらかさを保ったゴムがアイス路面へしなやかに密着する。さらに、同社が20年以上培ってきた独自の技術である鬼クルミの殻を配合したゴムが氷をひっかき、路面をしっかり捉える。

 「アイス性能経年低下の抑制」では、ゴムのやわらかさを維持させる働きをもつ、新開発の「持続性密着ゲル」をゴムの内部に配合することにより、年月が経つとともにゴムが硬くなることを抑え、すぐれたアイス性能をより永く保つ。

 「ウェット性能の向上」では、シリカを増量して配合したゴムを採用することで、タイヤが低温な状態でも柔軟に接地し、濡れた路面をしっかり捉え、高いウェットグリップを実現した。

 地球温暖化の影響からか、気象庁によると、国内では厳冬期の札幌市で日中の最高気温が0度Cを上回る日数が増えていると報告されている。日中の気温上昇によって路面は、雪が解けてシャーベット状の濡れたウェット路面となり、また、気温が氷点下まで下がる夜間には、濡れた路面が凍結したアイス路面へと変化する。冬道を走行するのに不可欠なスタッドレスタイヤは、こうした刻々と変化する路面状況に対応できる性能が求められている。

 オブザーブ・ギズ2は、こうした気候変動に伴う季節要因の変化を重要視し、地球温暖化時代の日本の降雪期に求められる性能を追求した。ウェット性能を高めて冬道での路面変化に対応するとともに、ゴムの経年変化による氷上での摩擦力低下を抑制、アイス路面での性能が長持ちするようにも配慮されている。

OBSERVE GIZ2

 

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー