仏の炭素黒鉛企業買収 東海カーボン、197億円で

2020年04月13日

ゴムタイムス社

 東海カーボンは4月10日、仏の炭素黒鉛製品メーカー、Carbone Savoie SAS(以下「CS」)を買収すると発表した。取得価額は約197億円(同社約138億円、TCX約59億円)となっている。
 
 CS社の持株会社であるCarbone Savoie International SAS(以下「CSI」)の全株式を、同社子会社であるトーカイ・コベックス(以下「TCX」)と共同で取得し子会社化することにつき、同日開催した臨時取締役会で株式譲渡予約契約の締結を決議し、同契約を締結した。

 なお、同社が70%、TCXが30%の株式を取得し、CSIおよびCSは同社の連結子会社となる予定。同取引は、フランスにおけるCSの労働者評議会との協議に付された上、関係法令上の手続き完了後に実施することを予定。

 CSI傘下の事業会社であるCSは、フランスを拠点に120年を超える歴史と伝統をもち、高い技術力に裏打ちされた高機能・高品質の黒鉛化カソード及び特殊炭素製品と信頼と実績に基づく優良な顧客基盤を有している。主力のアルミ精錬用カソード事業が対面するアルミニウム市場は、自動車や航空機など輸送機器分野における軽量化ニーズ、建材分野における都市化進展によるアルミ使用量の増加、飲料容器のアルミ化、エレクトロニクス分野における銅の代替需要等を背景に、長期的には安定した成長が見込まれており、アルミ精錬用カソード需要も堅調に推移する見通しとなっている。特殊炭素製品事業では、主として熱交換器や耐熱用途向けの素材を手掛けており、対面市場は引き続き堅実な需要の成長が期待されている。

 同社は、本件により、精錬ライニング事業及びファインカーボン事業を成長させ、同社の収益力の向上のみならず、ポートフォリオの分散化を図ることができ、ひいては同社のさらなる企業価値向上につながると考えている。

 同件株式取得に係る資金については、同社はグループ内の自己資金を充当する予定。また、事業環境の変化に応じて、安定的な流動性確保と財務の健全性維持を考慮した資金調達を行う方針。具体的には、金融機関からの長期借入、社債発行及びハイブリッドファイナンス等の調達も検討している。

 今後の見通しとして同社は、「本件が2020年12 月期連結業績に与える影響は精査中であり、確定次第お知らせいたします」とコメントしている。

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