樹脂再利用の実証を継続 豊田通商 車の部品用に

2019年06月26日

ゴムタイムス社

 豊田通商は6月20日、同社、矢野経済研究所、いその㈱の3社が、自動車に使われている樹脂素材の「Car to Carリサイクル」の可能性を探る実証事業を、自動車リサイクル高度化財団より受託したと発表した。これは2017年からの継続案件で、2019年4月より最終年度となる3年目の実証事業を開始している。

 Car to Carリサイクルは、使用済み自動車から回収される資源を、再び自動車を製造の原料として使用することで、この実証事業では、マテリアルリサイクルをするためのコストおよび品質を評価する。

 2018年度は、外装3部品に加え内装品4点を回収対象とし、中部地区・関東地区の協力解体事業者合計12社で使用済自動車約2000台より10・1tのポリプロピレン樹脂回収を行った。その結果、コスト面で、車体から取り外した部品からビスなどを除去する作業に時間を要することが課題として残った。

 3年目となる今年は、自動車部品としての仕様に耐え得る強度などの物性面や、新車の部品素材として安定した数量を確保することについて、さらなる検証を進めるため、解体数量の増加を目指す。

 今年度の検証内容は、①回収したリサイクル樹脂を新車向けの素材として採用するためのリサイクルコストの改善、②回収したリサイクル樹脂の品質確認と品質の向上、③新車の部品素材として安定した数量が確保できるかの検証の3点となる。

 協力会社は昨年と同様の12社で、樹脂回収量は、使用済自動車約4000台から20tと、昨年度の倍を予定している。コスト面で解体作業の専門家の意見も取り入れ、解体作業の時間短縮に取り組むとともに、回収樹脂の輸送方法の効率化にも取り組むことにしている。

 

実証事業の流れ

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