TPE特集 三井化学 ミラストマー6万t体制へ ラインアップ拡充で事業拡大

2018年08月31日

ゴムタイムス社

 三井化学の機能性コンパウンド事業部では、熱可塑性エラストマー「ミラストマー」のグローバルな需要拡大に対応するため、国内外で生産能力の増強を進め、2021年までに生産能力を6万tまで拡大する方針だ。

 同事業部の18年度の需給動向は計画通りに推移し、上期は前年度比10%超の販売増となる見通しで、各製品群とも好調が続いている。

 架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーのTPVは、自動車の内装やシート表皮、ウェザー・ストリップなどの用途で需要が拡大している。また16年にラインアップした新架橋TPVは、ステアリング・ブーツなどで採用が拡大している。北米に15億円を投資して年産6000t規模の新拠点を建設中で、19年10月の稼働を目指しており、日本、中国、ドイツに次ぐ同製品の第4の拠点となる計画で、これによりTPVの生産能力を現在の4万tから4万6000tに増強する。

日産シルフィー インストルメントパネル採用例

日産シルフィー インストルメントパネル採用例

 非架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーのTPOは、エアバッグカバー材用途で需要が高まっている。新興国で販売が伸びているほか、窓側のカーテン・エアバッグや膝を守るニー・エアバッグなど車1台当たりのエアバッグの装着数が増えていることから、エアバッグ市場は自動車生産台数の伸び率よりも高い伸び率を示している。今後もTPOの需要は拡大すると同社は見て、用途の特性から品質管理を重視しながら、世界に7拠点を構え安定供給を図る。

 スチレン系では、ゴルフグリップなどの非自動車向けの非架橋型TPSに加え、旭化成の事業を昨年買収したことにより、架橋型のTPSの製品群がラインアップに新たに加わった。現在、日本と中国で委託生産している。

 ミラストマーの売上全体に占めるTPOとTPSの比率が10%以上に高まっている。

機能性コンパウンド事業部・寺田部長

機能性コンパウンド事業部・寺田部長

 TPOとTPSの生産能力は計5000tとなっており、TPVの北米拠点が立ち上がるとエラストマー全体で5万1000tの生産能力となる。しかし「需要はさらに拡大する」(機能性コンパウンド事業部・寺田豪部長)と予測し、TPVについては日本または中国でさらに6000t規模の能増を行い、

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