TPE特集 クレイトンポリマージャパン 超高流動ポリマーを開発 不織布向け弾性繊維用途への展開期待

2017年09月08日

ゴムタイムス社

 米クレイトンポリマー社の日本法人、クレイトンポリマージャパン(中西信輔社長)は水添ポリマーの差別化グレード「新規高流動性SEBS」で伸縮性に富む不織布向けの弾性繊維用途への展開を進める。

 この差別化グレードは既存グレードに流動性とともに用途ごとの機能を付与したもので、①超高流動ERSポリマー②高流動クレイトンAポリマー③高流動クレイトンGポリマー④高強度高流動クレイトンGポリマーの4種。

 いずれも流動性(低粘度化)を高めることで生産性が大きく向上、また大型で薄膜なインジェクションによる一体成形が可能となることからコンパウンド、繊維強化コンポジットや樹脂改質による射出成型品(自動車のインパネ表皮等)をはじめ、ホッメトメルト接着剤やコーティング剤の加工性改善、不織布の弾性繊維や遮音・防音材などでの用途展開を進めている。

 特に超高流動ERSポリマーは、「通常のSEBSに比べ流動性が2オーダー高く、業界初の高流動領域にある」(中西社長)ため、高温でノズルから細い線を出すことができるポリマーの繊維化(メルトブローン用伸縮構造部材)が可能となった。PP等のオレフィン系の不織布に比べ伸縮性と柔らかな感触が得られることから、おむつカバーなどの衛生用品向けに用途展開を進めている。

中西信輔社長

中西信輔社長

 一方、2017年第2四半期の需給動向については、グローバルでは水添ポリマーが前期比4%増と好調推移、SBS,SISは前期並みとしており、IRラテックスについては米食品医薬品局(FDA)が昨年末に手術用手袋のパウダー付き手袋の使用禁止を発表したのを受け、前期比10%以上の大きな伸びを見せている。そのIRラテックスについては、ブラジルのポーリニア工場をラテックス

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