【ホース特集】タイガースポリマー 工事・災害時にタイムリーな供給を

2016年10月03日

ゴムタイムス社

 タイガースポリマー(大阪府豊中市、渡辺健太郎社長)のホース事業は、産業用、家電用、自動車用、土木・建築用など、幅広い分野に展開している。

 17年3月期上半期、ホース事業の需要動向について、4~6月は産業用ホース全般が比較的堅調で、計画通りではないが前年同期実績を上回る売上高で推移した。その後、7月は振るわないも8月はやや回復基調

佐々木常務

佐々木常務

 「7月末に都知事選が行われたこともあり、公共事業の動きに影響が出たのかもしれない。秋以降に需要が回復することを期待したい」と、佐々木博常務は述べている。

 通期見通しについて、ホース事業の売上高は当初目標で前期比%増を計画しており、下半期以降も、引き続き計画達成に向けて注力する方針である。

 製品別に見ると、主力のデリバリー・サクションホース「クリスタルホース」シリーズは、用途に合わせて一般用、静電気帯電防止用、耐摩耗用、食品用、耐油用など豊富なバリエーションがある。4~6月の「クリスタルホース」は、好調な販売状況だった。7月は、工事物件の動きが鈍くなったがデリバリー・サクションホース全体で、前年同期実績を上回った

 土木・建築用の「タイレックス」シリーズは、長尺で曲げやすく、電線管布設の省力化・工期短縮が図れる特長があり、太陽光発電設備の埋設管での需要も多い。太陽光発電事業に関しては、売電は縮小傾向にあるものの、大手企業が自家使用分として発電する方向にシフトが進んでおり、引き続き関東を中心に底堅い需要が続いている。

 また、2020年のオリンピックを控えて、東京都が推進している「電線地中化」計画も、「タイレックス」シリーズの需要増の追い風になるものと期待している。

 同社のホース製品における主力マーケットは、建築・土木向け需要と、防災・災害時向け需要の2つがあり、これら2つの市場に対する生産・供給体制を整えておくことが基本となる。ユーザーから緊急の要請があった際に、タイムリーに供給することが使命と考えている

 「成熟市場であるため、新規の需要を取りに行くのは難しい。技術と営業が連携して、ユーザーのニーズに合わせて付加価値をつけた商品を提案しながら、地道にコツコツ進めて行くしかない」(同氏)。

 さらに、東京オリンピックに向けて活発になる需要を取りこぼさないよう、情報収集に努めていく。

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