リケンテクノス 新中計でグローバル展開加速

2016年05月27日

ゴムタイムス社

 海外売上高比率55%に

 リケンテクノス㈱は5月25日、東京・中央区の日本投資環境研究所9階ホールで16年3月期の決算説明会を開催し、常盤和明社長が決算概要を説明するとともに新3ヵ年(16年度~18年度)中期経営計画を発表した。

 新中計では、全事業のグローバル経営の深化、収益力・財務体質の強化、革新的な生産体制の創造、光学分野における事業化の確立を主要課題としており、具体的数値目標として18年度に売上高1100億円、営業利益80億円、経常利益80億円、当期純利益45億円、売上高営業利益率7%(15年度5・6%)を掲げた。その前提条件として、為替110円/㌦、国産ナフサ価格3万5000円/klと想定。18年度には売上数量は15年度比31%増、売上高は同21%アップとなる。

 また、コンパウンド事業のグローバル展開を加速させ、「現在の海外売上高比率47%を18年度までに55%以上までに拡大させる」(常盤和明社長)計画でおり、塩ビ、エラストマーの生産能力増強に中計3年間で国内67億円、海外93億円の合計160億円(前中計144億円)の設備投資を実施する。うちメンナス費用は海外含め50億円を予定。

 16年度中にアジアでは中国の塩ビ増設ライン、ベトナムの塩ビ新設工場、北米でも約20年ぶりの塩ビ新設ライン(エラストマー拠点に隣接)が稼働する。更なる需要拡大に対応、17年度から18年度にかけてタイのエラストマー増設、タイの医療用塩ビライン増設、インドネシアの塩ビ増設、米国の塩ビ増設、米国エラストマー増設を計画しており、海外拠点での供給体制確立を急ぐ。

 最終年度のセグメント別業績予想では主力のコンパウンド事業は売上高770億円、営業利益60億円、フィルム事業は売上高190億円、営業利益60億円、食品包材事業は売上高130億円、営業利益8億円を予想。

 需要分野別では自動車市場においてアジア・北米市場における圧倒的な存在感を確立するべく、日系ワイヤーハーネスメーカーへの商圏拡大、内外装材の商圏拡大、機能部品、加飾フィルムなどの新商品展開で自動車市場向けの売上高は15年度比25%アップを見込んでいる。ワイヤーハーネスの世界シェアを40%まで高めるほか、自動車内外装品のシエアを10%から12%までに高める計画。

 また、医療・ヘルスケア分野では血液回路用塩ビコンパウンドの世界シェアを現在の17%から26%までに高め、メディカル用フィルム、バイアル容器、プレフィルドシリンジガスケットの新市場開拓を図る。

 食品包材ではリーディングカンパニーとしての顧客・技術対応力を活かし、塩ビ化の推進を行うことで、業務用塩ビラップのシェア50%を目指すとしている。

新中計を発表する常盤社長

新中計を発表する常盤社長

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