三ツ星ベルトの16年3月期 海外好調で営業益7%増

2016年05月16日

ゴムタイムス社

 三ツ星ベルトの2016年3月期連結決算は、売上高が670億6200万円で前期比1・2%増、営業利益は76億3000万円で同7・0%増、経常利益は77億8800万円で同5・2%減、親会社株主に帰属する当期純利益は56億9100万円で同7・4%減となった。

 国内ベルト事業については、自動車用ベルトは軽自動車税引き上げの影響やベルト非装着車種の影響があったものの、メーカーの新型車種投入効果により、組み込みライン用の売上高は前期並みとなった。

 また、補修用ベルトは国内の車検交換需要の減少に加え、ユーザーの中東向けや資源国などへの輸出の落ち込みなどから売上高が減少した。

 一般産業用ベルトは夏場の天候不順の影響により農業機械用の補修需要が落ち込んだが、射出成型機向けの売上高が増加したことなどから、全体では微減にとどまった。

 OA機器用ベルトは海外現地調達化の流れが継続しているため、国内の売上高は減少した。

 一方、搬送ベルトは積極的な新製品の投入効果により、食品業界向けを中心に売上高が増加し、合成樹脂素材も拡販活動に加え、企業の設備投資の回復に伴って増加した。

 これらの結果、同事業の売上高は265億3600万円で同2・7%減、営業利益は68億1700万円で同1・0%減となった。

 海外ベルト事業に関しては、欧州ではロシア経済の減速や欧州通貨安の影響を受けたが、一般産業用ベルトの拡販などから、全体では前期並みとなった。

 米国では、一般産業用ベルトは拡販活動によりタイミングベルトの売上高が伸長した。一方、自動車用ベルトは自動車やスノーモービル向け補修需要の落ち込みにより、売上高は減少したが、円安の影響で邦貨では増加となった。

 アジアでは、自動車用ベルトは東南アジア諸国で自動車販売が低調な中、新規物件の立ち上げに加え、円安効果もあったことから売上高は増加。一般産業用ベルトも、中国で農業機械向けや金融端末向けの売上高が増加した。

 一方、OA機器用ベルトは期間の後半にかけて、日系ユーザの生産が伸び悩んだことから、前期並みとなった。

 以上の結果、同事業の売上高は308億7600万円で同5・2%増、営業利益は28億2000万円で同26・5%増となった。

 建設資材事業では、建築部門は民間・公共の建設投資が堅調に推移したことから、改修工事物件の売上高が増加した。一方、土木部門では前期に比べ大型物件が少なかったことから、売上高が減少した。

 この結果、同当事業の売上高は51億6200万円で同4・7%減、営業利益は2億300万円で同21・7%減となった。

 エンジニアリング・ストラクチュラル・フォーム、ナノ粒子を応用した新製品、仕入商品などが含まれるその他の売上高は、44億8600万円で同6・6%増、営業利益は1億4200万円で同130・9%増となった。

 次期の業績予想については、売上高は660億円で同1・6%減の見込み。利益面では、アジア諸国での人件費高騰などによる利益の減少幅を少しでも抑えるため、一層の原価低減活動を推し進めるものの、営業利益は66億円で同13・5%減、経常利益は67億円で同14・0%減、親会社株主に帰属する当期純利益は52億円で同8・6%減を見込んでいる。

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