東レ・ダウ 高スリップ性能のシリコーン新発売

2016年05月11日

ゴムタイムス社

 東レ・ダウコーニングは5月10日、高速フォーム・フィル・シール(FFS)包装工程において摩擦係数(COF)を低減する「ダウコーニング® MB25―035 マスターバッチ」を新発売したと発表した。

 同製品は、スリップ性能が経年または温度上昇によって劣化する有機系添加剤の代替として開発された。同製品は低密度ポリエチレン(LDPE)のインフレーション・フィルム向けに開発され、全ての層に使用される有機系添加剤と異なり、フィルムの外層のみに使用することができる。これによりコスト削減が可能になるとともに、包装内容物への移行を防ぐことが可能になる。さらに同製品は、ダイへの堆積及びゲルの形成を防ぎ、最適なスリップ性能が発揮されるように簡単かつ充分にフィルム樹脂に分散する。

 エルカ酸アミド及びオレイン酸アミドなどの一般に使用される有機系スリップ添加剤は、フィルム表面に迅速に移動して短時間で消散するため、フィルム押出からFFS工程間までに時間が空くとスリップ性能が低下する可能性がある。また有機系添加剤は、温かい食品にさらされるなどして温度が上昇することでも効果が失われる。それだけでなく、巻取り及び保管時にフィルム表面同士の間を移行し、印刷、密封、仕分けなどの後工程に影響を及ぼすフィルムアプリケーション共通の問題につながる。

 同社の特に同用途に処方した添加剤は、有機系添加剤とは異なり、フィルム用途における共通課題である巻取り及び保管時のフィルム表面間のスリップ添加剤の移動を防ぐ。

 同製品は少量添加で優れた摩擦係数低減を維持する。例えば、3%添加でフィルムとスチールが接触する際の摩擦係数は0・2となっている。また、同製品は粘着性を示さないため、押出機にスムーズに供給が可能。さらに、押出ダイに堆積したり、フィルム表面にゲル形成させることもない。

 同製品は、アジアの多くの国々で模範とされているU.S.フード&ドラッグ・アドミニストレーション(FDA)及びヨーロピアン・ユニオン10―2011の食品接触要件に適合している。同製品は少量添加での利用が可能であり、多層フィルムの外層のみに含有され、効果的に分散してスリップ性能を向上するため、コスト効率が高く、添加しやすいペレット状で提供されており、世界中で入手可能となっている。

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