【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情5 米国のゴム業界の現状 加藤進一

2015年09月25日

ゴムタイムス社

 米国のゴム業界の現状

 25年前にアメリカに3年間駐在していたころに比べると今のアメリカのゴム業界はかなり違ってきています。昔は大手ゴム会社もファミリービジネスの延長という面があり、経営者と話をしていると、よき時代のアメリカの話が多かったです。

 当時合成ゴム、天然ゴムの消費は米国が一番で、材料相場もアメリカの動向で世界の需給が決まっていました。GOODYEARは世界最大のタイヤ会社で、駐在していたオハイオ州アクロンでは、GOODYEARの社員は、自分が世界のタイヤゴム業界を動かしていると気概があり、街でも別格の扱いでした。

 ブリヂストンが米国大手タイヤ会社のFirestoneを買収したのもこのころです。地元では、この買収をよく思わない人も多く、また人員整理もあったようで、街で「お前はブリヂストンの日本人か」とよく喧嘩腰に質問されたものです。日本人に対して露骨な人種差別もありました。

 アクロン大学はゴムの研究が有名であり、Polymer Science&Polymer Engineering部門が世界中のゴム、タイヤの研究者を集め、ゴムの研究をしていました。欧米人が中心で、日本人研究者も日本タイヤメーカーからきていました。

 さて、現在の米国ゴム業界はどうなっているでしょう。

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