ゴム連合 第11期運動方針を決定

2015年09月11日

ゴムタイムス社

 ゴム連合は9月3~4日の両日、名古屋クラウンホテル(愛知県名古屋市)で第11期定期大会を開催し、2015年度の運動方針を決定した。

 具体的取り組みは次の通り。

 〈雇用といのちを守る取り組み〉
 ▽雇用確保の取り組み=ゴム産業に集う全ての労働者が「誇り」を持ち、「生きがい」「働きがい」を感じて安心して生活がおくれることを目指して、その基本となる雇用の確保に向けて取り組む。雇用の確保のためには、各企業の労使における相互信頼をベースに企業が健全な状況で収益を確保し、持続的に発展していくことが前提となる。そのためには取り巻く環境を正しく認識すると共に情報を共有化し自ら主体的に課題を探求し、課題解決の道を見出していくことが大切であり、こうしたことが企業基盤強化にもつながる。
 ゴム連合は、部門別協議会や地区別協議会とも連携して雇用確保の取り組みを、連合全体で支援していく。

 ▽労使関係の充実=ゴム連合は、健全で良好な労使関係づくりに向けて、ゴム産業労使懇談会の開催により、ゴム産業全体の課題・状況に対し共に学び・情報交換し相談しあえる関係づくりに向けた取り組みを進める。

 ▽産業対策の取り組み=将来にわたりゴム産業で働く労働者が安心して生活を送り、さらに魅力あるゴム産業を目指すためには各単組労使だけでは解決できない課題に取り組むことも産別の重要な活動領域。ゴム産業に関係の深い他産別や業界団体と連携を図り情報を共有することで、ゴム産業の課題を把握し解決に向けた取り組みを進める。

 ▽安全衛生活動=安全で健康かつ快適に働くことができ、安心して生活が送れることは、ゴム連合に集う全ての人々の共通の願いであり、安全で快適な職場環境づくりは、労働組合として取り組むべき最も重要な課題。不慮の労働災害によって倒れてしまうことは、働く者自身にとっても、その家族や友人、職場の仲間にとっても不幸なことであり、決してあってはならないことである。「安全は全てに優先する」との基本姿勢で、各単組が自ら考え主体的に安全衛生に関する課題改善が図れるよう、基礎知識や情報の収集、考え方・手段・手法の共有化などを行い、各単組の活動の充実に向けて取り組みを進める。また、労働安全衛生に関する法令など一般動向の把握に努め、ゴム連合安全衛生とりくみ指針の定期見直し(2年ごと)を実施する。

 〈生活を守る取り組み〉
 ▽賃金制度の整備・確立の取り組み=各単組が賃金制度整備の重要性、一般の制度動向などについて理解を深め、他社の人事・評価制度の実例を参考にしながら、より良い賃金制度が確立できるように支援を行う。

 ▽単組の目指すべき賃金水準目標の検討・設定=ゴム連合の理念にある『「誇り」を持ち、「生きがい」「働きがい」を感じること』に向け、各単組がめざすべき賃金水準を設定することが重要。社会的な指標や生計費をもとに水準設定の考え方と水準値を示すことで、単組ごとのめざすべき水準の設定を推進する。また、ゴム連合加盟組合の賃金水準の社会的な位置づけを把握し、情報発信することで、産業の優位性につなげていく。

 ▽賃金と一時金=春季生活改善の取り組みは、労使協議を充実させて適正な一致点を見出すことがベースであり、情勢等の認識や基本的なスタンスを示し、各単組が効率的な取り組みができるよう支援を行う。各単組の主体的な取り組みの成果として、ゴム産業全体の社会的位置づけの維持向上を目指す。

 ▽退職金=退職後の生活は、公的年金を基礎として退職給付制度や自助努力による個人年金などで営まれており、退職後の生活を安定させていくために、退職給付制度の構築・安定した制度の運用に向けて取り組む。

 ▽高齢化対策=高齢者がいきいきと働ける制度導入と運用を目指す。これは高齢化社会の到来を踏まえて労働力の減少を補完する観点や技術・技能の伝承、人材の育成により産業・企業基盤を強化していく観点からも重要である。

 ▽労働時間=健康管理の観点はもとより、趣旨高齢化・人口減少社会の中で多様な人材が活躍できる環境整備のためにも、労働時間の適正化に向けた取り組みを推進していく。また、全ての単組が歩調を合わせる取り組みと位置付けている「ワーク・ライフ・バランスの推進」を通して、労働時間の短縮や休暇制度の充実、職場環境の改善などの各単組の主体的な取り組みを支援し、「やりがいのある仕事」と「充実した生活」の両立を推進していく。

 ▽総合福祉=働く者の健康管理や生活保障、生活設計、財産形成から余暇など個を尊重する観点と、労働金庫や全労済などの労働者自主福祉事業などの共済や福利厚生、奉仕、社会貢献など、互助の観点からの充実に向けた取り組みを進める。

 ▽海外勤務労働条件=海外勤務者とその家族が、経済面だけでなく心身の健康や生活設計の面においても不安なく生きがいのある海外生活を送れることを目指し取り組む。

 〈組織機能の強化〉
 ▽産別機能の強化=これから起こりうる事象に対し自己防衛を図り、産別としての果たすべき役割を担うために盤石な組織体制づくりの構築と自己完結ができうる組織のサポートをしていく。また、魅力あるゴム産業を目指す取り組みは、それぞれの単組が主体的に諸条件向上を目指す取り組みと、産別全体で歩調を合わせる取り組みがあり、両面による取り組みで産別機能を充実させることも重要。

 ▽社会性を意識した取り組み=企業が法令を遵守するように労働組合としての監視意識を高め、また言うべきことが言える社内の雰囲気・体質づくりに労働組合として参画することが重要。各単組の重点事項として位置づけることに産別としても働きかけを行う。

 ▽連合・他産別との連携=連合や特にゴム産業と関係の深い他産別との意見交換、情報交換を行うことで、ゴム連合内では気づかなかった問題など参考になることが多くある。また、ゴム連合単独で政策制度改善を行うことも重要だが、一方では他産別との共通課題に対する協働の政策制度要求なども重要であり、連合や他産別との連携を図る。

 ▽組織の安定・拡大=現在、労働組合はグループ化や分社化を進める多様な企業運営に対し、様々な対応をしていく状況にある。そのような環境において同じゴム産業で働く仲間を取り込み、裾野を広げる取り組みは重要。また、現在連合が進めている1000万人組織拡大に向けた取り組みについて産別としての対応を図っていく。
 さらに、非正規労働者においても「働き甲斐のある職場」「企業業績及び企業価値の向上」を推進する重要なパートナーであり、社会的責任と役割を踏まえた上で処遇改善に向けた取り組みを行っていく。また、60歳以上の雇用確保の取り組みは多くの組合員の将来に関わる課題であり、労働組合としてこれまで以上にウェイトが高まるため、再雇用制度内容のチェックや見直し、働く環境などにおける課題対応の取り組みが必要。

 ▽教育情報宣伝活動=「教育活動」は各単組が必要に応じて主体的に計画して実行していくことが基本。その内容・進め方の策定などに関し、各単組のニーズに応じて必要な支援をしていく。また、単組の自主的な教育活動をサポートするゴム連合教育体系を運用、利用状況を把握して内容充実に努める。
 「情報宣伝活動」は、各単組の活動の活性化を支援することを目的に、共有化すべき情報の収集・発信を的確かつタイムリーに行う。

 ▽調査活動=賃金・労働時間その他の制度の実態や動向の把握は、単組・産別活動の基礎であり、定例調査を継続実施する。また、上部・関連団体の諸調査に積極的に協力を行う。
 調査結果の報告冊子として「ゴム総覧」「ゴム労働情報」を発行し、単組からの要望に基づいて適切な資料や情報を提供する。全ての調査は目的・公表時期・公表手段を明らかにし、年間の調査計画に沿って実施する。

 ▽財政の運営=健全な財政運営は産別活動を進める上で不可欠であり、健全な財政に努める。

 〈国外組織との連携〉
 ▽国際社会の一員としての役割を意識した取り組み=ゴム産業において継続的な成長と発展を目指しグローバル化を進めていく中で、国際的な連帯活動は重要性を増している。国際組織と連携・交流を図り、国際社会の一員としての役割を意識して取り組む。
 ①インダストリオール、インダストリオール・JAFが主催する活動への参画②第15回インダストリオール・ブリヂストン労働組合グローバルネットワーク運営委員会の運営を行う③必要に応じ、海外産別組織と交流を行う。

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