クラレの1~6月期 各事業堅調で過去最高収益

2015年08月06日

ゴムタイムス社

 クラレは8月6日、東京・大手町の本社において2015年12月期第2四半期決算発表会を開催した。伊藤正明代表取締役社長、山下節生代表取締役専務執行役員、上山冬雄経営企画室長らが出席して、説明を行った。

 同社の15年12月期第2四半期連結決算は、売上高2628億7700万円、前年同期比(※)16・8%増、営業利益316億500万円、同13・6%増、経常利益321億6000万円、同17・1%増で、増収増益となった。四半期純利益は209億3100万円、同33・1%増。(※決算日変更に伴い、14年1~6月に補正した前年同期実績との比較)

 売上高および利益項目全てで過去最高を記録しており、伊藤社長は「中期経営計画GS―STEPの初年度として、よいスタートが切れた」と語った。

 営業利益段階における増減要因については、販売数量増で25億円、操業度で5億円、為替で10億円、原燃料価格で75億円がプラスに働き、売値・銘柄構成で30億円、償却費増で27億円、経費その他で20億円が減益要因となり、差引き38億円の増益となった。

 セグメント別に見ると、ビニルアセテートの売上高は1384億0800万円、同35・0%増、営業利益は265億3500万円、同6・5%増となった。

 光学用ポバールフィルムは液晶パネルの数量増および大型化により販売量が増加した。ポバール樹脂はおおむね堅調に推移したものの、米国新プラント建設工事遅延もあり米国での市場開拓が想定どおりに進まなかった。PVBフィルムは欧州域外への輸出拡大により堅調に推移した。水溶性ポバールフィルムは旺盛な需要を背景に好調に推移した。

 EVOH樹脂「エバール」は、販売は堅調に推移したものの、米国での定期修理の影響を受けた。15年4月にバリア素材のリーディングカンパニーとして更なる拡大を図るため、バイオマス由来のバリアフィルム事業を展開する、オーストラリアのPlantic社を買収した。

 14年に米デュポン社から買収したGLS事業では、のれん代等償却費の影響により赤字となった。なお、事業統合が順調に進捗したことから、15年7月1日付でGLS事業部内のVAM、ポバール関連事業をポバール樹脂事業部へ、またPVB関連事業をPVB事業部へ移管し、GLS事業部を廃止した。

 イソプレンの売上高は284億7200万円、同2・8%増、営業利益は33億7500万円、同6・8%増となった。

 ファインケミカルは堅調に推移。水添スチレン系熱可塑性エラストマー「セプトン」は、高付加価値商品に集中した販売戦略と、急激な原材料価格低下によるコストダウンが奏功して収益面で寄与した。また、液状ゴムはタイヤ用途が引き続き好調に推移した。

 耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、自動車用途の数量増等により順調に推移した。

 伊藤社長は「イソプレンについては、鹿島の定修で

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