松田製作所 ゴム用真空射出成形機を新発売

2015年06月28日

ゴムタイムス社

 松田製作所(埼玉県久喜市、鈴木康三社長)はこのほど、成形品の不良率を低減した上で、作業高の低床化をはじめ省エネ、省スペースまでも実現した新製品「竪型ゴム用真空射出成形機VS3シリーズ(VI―200V(S3))」を開発したと発表した。

 新製品は昨年ユーザーから好評を博しているゴム用竪型射出成形機の「XJシリーズ」をベースに、不良率の低減に貢献し、複雑な金型構造に効果を発揮する前機種のVI―200V(S2)に付加価値を付け、フルモデルチェンジした機種。
 特長は金型の周囲を真空にすることに成形品のエアー不良を大幅に低減するほか、同社の一番の特長と言える機械の作業高さが低い点。同社は作業者目線で作業効率を向上させることを重要視し、作業高の低床化は重要なファクターとなっている。

 新製品も同様に、作業高が897㎜で900㎜を切っており、従来機種と比較しても、約100㎜以上低くすることに成功した。このことにより、作業台の落下、転倒等の事故発生、金型交換時の作業台の移動等の課題を解決し、作業台の設置が不要となり作業性・安全性が著しく向上した。
 また省エネルギー対策については、「従来機と新製品で省エネの試験を行った結果、消費電力が約30%減少した」(佐藤節男開発部部長)と述べ、IPMモーターによる回転数制御ポンプと高機能断熱版を採用することで大幅な消費電力の削減が可能となったほか、作業者にとっても作業が行いやすい静音性の向上も図った。

 このほか、工場内の省スペース化の実現のため、真空タンクを無くし機械のスリム化に寄与することで、機械のデザインもスタイリッシュな仕上がりになっている。

 開発にあったては「真空枠の強度の部分やCAE技術をフル活用したことが大変だった」(佐藤部長)が、今まで培ってきた同社の射出成形機の技術力で課題をクリアし、金型回りの配管などの作業性が大幅に向上し、機械トラブルの要因となるゴムバリが堆積しにくく、掃除も簡単にできるようになった。

 新製品について、鈴木社長は「従来通り不良率の低減はもちろんのこと、省エネ、作業高の低床化、スリム化を実現した新製品をひとりでも多くのお客様に知っていただきたい」と言及し、新製品を新たな柱に成長していくことを期待している。
 新製品の販売は7月から開始し、デモ機は本社に設置。金型と材料を持ち込んでのテストは常時可能となっている。

 

 

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