宇部興産 GSC奨励賞をコーティング材料で受賞

2015年06月09日

ゴムタイムス社

 宇部興産は、6月8日、同社が第4回グリーンサステイナブルケミストリー(GSC)奨励賞を受賞したと発表した。

 GSC奨励賞は、公益社団法人新化学技術推進協会グリーンサステイナブルケミストリーネットワーク会議(略称:JACI GSCN 会議)が主催し、2011年度から人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学及び化学技術であるGSCの推進に期待できる日本国内の業績に対して表彰しているもの。

 今回受賞対象になったのは、高耐久性水系ポリウレタンコーティング材料(ポリウレタンディスパージョン:PUD)「エターナコル UWシリーズ」の開発に関するもの。PUDは大気・土壌汚染の原因になる揮発性有機化合物(VOC)の塗装時の排出量を溶剤系コーティング材料に比べて大きく削減できるため、環境にやさしい材料として、近年注目されている。しかし、水系コーティング材料は、耐候性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性などの耐久性が溶剤系コーティング材料に及ばないため、普及が遅れているのが現状。

 同社は、溶剤系コーティング材料並みの高耐久性を持つPUDを新たに開発することに成功した。溶剤系コーティング材料と比較して、VOCの排出量を8~9割削減することができるという。 このPUDは、耐久性の高さに加えて、室温での粘度が低く乾燥が速いという特長があり、生産ラインのコンパクト化や二酸化炭素排出量の削減にまで寄与することがユーザーに認められ、床材、ゴムコート材、自動車内外装材などに採用されている。

 同社は、PUDの性能向上に貢献する原料であるポリカーボネートジオール(PCD)の世界トップメーカー。PCDのグレード開発力も含めた技術対応力をベースに日本・スペイン・タイでのグローバルな技術連携を強みに、ユーザーニーズに対応した新規グレード開発及びサポートに注力している。今後もPUDをグローバルに普及させることで、水系コーティング市場を拡大し、GSCの貢献に取り組んでいく方針。

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