旭化成は12月5日、宮崎県延岡市におけるヘキサメチレンジアミン(HMD)およびその副生成品であるプロピオニトリル(PN)の生産終了を決定したことを発表した。
同社は、延岡地区のHMDプラントにおいて1971年に商業運転を開始し50年超にわたり、主にポリアミド66とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)向けの主原料の生産および一部販売を行ってきた。しかし、近年、経済環境の低迷が長期化する中、原料および用役コストの上昇による競争力の低下に加え、川下製品の需給環境の悪化により、当該製品の稼働率は低水準で推移しており、厳しい状況が続いている。こうした状況は構造的かつ不可逆的であると判断し、当該製造工程からの撤収を決断した。
生産終了時期は2027年4月(予定)となる。
川下製品の今後の供給について、同社は、HMDを主原料とするポリアミド66(樹脂及び繊維:宮崎県延岡市)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIおよびHDI誘導品:宮崎県日向市)を手掛けている。本製品については、引き続き生産・販売を行っていく。
当該製品群の事業に携わる従業員は、当社内で再配置することを予定している。
本件は、すでに公表済みの2026年3月期連結業績予想に織り込み済となる。なお、その影響額は軽微としている。
