三菱ケミが戦略的追加投資を実施 熱マネジメントの事業化

2025年12月12日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは12月10日、コーポレートベンチャーキャピタル子会社のDiamond Edge Venturesを通じて、Boston Materials社に戦略的追加投資を実施したと発表した。この追加投資によりBoston Materials社との関係をさらに強化し、高性能コンピューティング・AIサーバー・次世代半導体デバイス向け先進熱界面材料(TIM)の共同開発と事業化に向けた協業を開始する。
 Boston Materials社は、炭素繊維を垂直方向に配列し、独自の液体金属合金と組み合わせることで、過酷なデータセンター環境においても高い熱伝導性と信頼性を実現する基盤技術を開発している。Boston Materials社の技術は、AIやクラウドインフラ向けの高容量・高周波半導体デバイスの性能向上に寄与し、次世代半導体デバイスに不可欠な熱マネジメントシステムを実現する。
 今回の戦略的追加投資により、Boston Materials社の熱マネジメント基盤技術と、同社グループの炭素繊維・PETフィルム・コーティング・先進材料試験等の技術を組み合わせることで、高付加価値分野におけるTIMの開発を加速する。また、同社グループの研究開発施設や事業ノウハウを活用することで、特にアジア地域における顧客開拓やアプリケーション開発を強化する。
 同社グループは経営ビジョン「KAITEKI Vision35」において、「データ処理と通信の高度化」を注力事業領域のひとつに位置づけている。今回の戦略的追加出資と協業により、半導体・通信分野におけるソリューション提供を加速していく。

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