フコクが決算説明会 過去最高売上を3期連続更新 来期投資額は80億円 

2015年06月05日

ゴムタイムス社

 フコクは6月4日、東京・茅場町の東京証券会館で決算説明会を開催し、齋藤祐二経営企画部長が説明を行った。

 15年3月期の連結売上高は700億6700万円とで前年同期比9・0%増、営業利益が34億5400万円で同13・3%増、経常利益が41億1300万円で同16・9%増、当期純利益が27億8900万円で同13・5%増となった。
 売上高は自動車産業の堅調を背景として順調に推移し、期初計画を上回って3期連続で過去最高を更新した。経常利益は主に受注の好調を受けるとともに、為替差損益もプラス方向に働き、当初の予想を上回った。

 地域別売上高では、アセアン地域が155億7500万円、以下、韓国地域が96億9200万円、中国地域が99億700万円、北米・欧州地域が38億2800万円だった。
 海外子会社の売上高合計は390億300万円、国内子会社は2社で94億8800万円。海外各地域の売上高はいずれも右肩上がりで伸びているが、国内子会社のみ減少となった。

 海外売上高比率は、前年の42・7%より2・6ポイント上昇の45・3%となった。来期は49%と見込んでおり、過半数に迫る比率となる。

 海外子会社の経常利益合計は25億3000万円、国内子会社合計は1億3500万円。

 セグメント別の業績では、売上高構成比で48・4%を占める、ワイパーブレードラバーや等速ジョイント用樹脂ブーツ、ダイヤフラムといった機能品事業の売上高は、345億500万円で前年同期比8・9%増、セグメント利益は34億8600万円で同2・2%増。過去2年間の業績と比較すると、売上高は右肩上がりで推移しているが、セグメント利益は前年度に落ち込み、今年度も一昨年度の水準を回復するまでには至っていない。その要因は、子会社への投資、体制整備の費用が同セグメントにかかっているためだ。

 構成比で38・8%を占める、ダンパープーリーやV―ロッド、ビスカスマウントなどの防振事業の売上高は、276億9500万円で同7・7%増、セグメント利益は28億7100万円で同15・7%増。同セグメントは売上高・利益ともに右肩上がりで伸びている。
 2年前に投資した韓国フコクの新工場などが安定して利益をあげる状態になり、利益を押し上げた。

 構成比8・4%の金属加工事業の売上高は61億8200万円で同19・4%増、セグメント利益は1800万円で同85・7%減。
 同セグメントは、国内子会社の工場レイアウトの変更などの投資、退職給付関係の影響により利益がマイナスになった。

 構成比4・2%のその他事業は、自動車や建機のインタークーラーホースやウォーターホースなどが主な製品。売上高はウレタン事業縮小の影響により30億1600万円で同3・9%減、セグメント利益は2400万円(前年同期は1億5900万円の損失)となっている。

 来期の設備投資額は、過去最高の80億以上を計画しており、内8割を海外子会社に投資する。エリアは定まっていないが、新拠点建設費用として約10億円確保している。主力である海外子会社の整備を引き続き行っていく方針だ。

 通期の業績予想については、連結売上高が720億円で前期比2・8%増、営業利益が35億円で同1・3%増、経常利益が37億円で同10・1%減、純利益が24億円で同14・0%減となり、増収ながらも前期のプラス要因である為替差益が今期はニュートラルでみているほか、国内外の投資が引き続き負荷となるため、経常利益は減益となる見通しだ。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー