クラレの4~12月期 売上高21%増で増収増益

2015年02月19日

ゴムタイムス社

 クラレの2014年12月期連結決算(国内13年4月~12月、海外1月~12月)は、売上高は4114億800万円で前年同期比21・0%増、営業利益は402億9800万円で同5・4%増、経常利益は400億8400万円で同4・5%増、当期純利益は212億9600万円で同7・9%減となった。

 営業利益は販売数量80億円、ファインケミカル、セプトン、クラリーノ、ビニロンなどの操業度向上で20億円、価格転嫁による売値、銘柄構成15億円の増益要因が、原燃料(為替影響除く)マイナス15億円、償却費(のれん償却費込み)マイナス71億円、経費その他マイナス19億円の減益要因をカバーした。

 売上高はビニルアセテート、イソプレン、機能材料、繊維、トレーディング、その他の全部門で前年同期実績を上回り、光学用ポバールフィルムが液晶パネルの数量増および大型化により販売量が増加したビニルアセテートの売上高は2190億4100万円で同36・3%増、営業利益は357億2400万円で同1・4%減。GLS事業は、製造・販売ともに問題なく統合を完了したが、のれん代等償却費の発生等により赤字となった。

 イソプレンの売上高は446億7400万円で同6・4%増、営業利益は48億7400万円で同23・7%増。イソプレン関連では、ファインケミカルが順調に推移した。熱可塑性エラストマー「セプトン」は堅調に推移し、液状ゴムも需要が回復した。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、LED反射板、コネクタ用途、自動車用途いずれも順調。

 機能材料の売上高は440億3700万円で同13・6%増、営業利益は15億2300万円で同42・3%増。メタクリル樹脂は、期前半は市況の低迷により苦戦したが、期後半は一部の需要が回復し増益に転じた。メディカルは、歯科材料の販売が順調。人工皮革「クラリーノ」は、既存プロセスの中国移管等の事業構造改善効果が発現し、黒字化した。

 15年度通期業積予想については、2014年度(14年1~12月補正)に対し、売上高は550億円増の5400億円、営業利益116億円増の630億円、経常利益110億円増の620億円、当期純利益85億円増の360億円を見込んでおり、売上高、営業利益、経常利益ともに過去最高値を予想。

 営業利益はエバール、ジェネスタ、セプトン、クラリーノの販売増による操業度向上に加え、原油価格の大幅な下落による原燃料コストの減少が寄与するとし、減益要因である一部販売価格の低下をカバーする。 「GS-STEP」の重点課題であるコア事業の深耕、技術革新、次世代成長モデルの具体的施策の実施により増収増益を目指す。設備投資は550億円を予定。

 

 

 

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