三洋化成工業は9月30日、化粧品用ピッカリング乳化剤『ソリエマー TMSー30』が、中国の化粧品メーカーのサンスクリーン製品に採用されたことを発表した。『ソリエマー TMSー30』の使用によって得られる滑り性や滑らかさといった良好な肌感触が評価されたもので、同製品を配合した日焼け止め製品は2026年9月より東南アジア地域で販売されている。なお、本件は『ソリエマー』シリーズとして初の採用事例となる。
『ソリエマー TMSー30』は、同社独自の真球状シリカを用いたピッカリング乳化剤である。界面活性剤を使用せずに安定したO/W(水中油型)エマルションを形成できることに加え、優れた使用感と高い乳化安定性を同時に実現できる点が特長である。
近年、サンスクリーン製品には高い紫外線防御性能に加え、ベタつきのない軽やかな使用感や、汗・水に強い耐水性が求められている。一方で、こうした製品の乳化剤には界面活性剤が広く使用されているが、製剤によってはベタつきが気になったり、汗や水にさらされると耐水性が十分に発揮されず化粧崩れしやすかったりする課題があった。この課題を解決する手法として、界面活性剤を使わず固体粒子で油と水を乳化する「ピッカリング乳化」が知られている。しかし、従来のピッカリング乳化は塗布時のきしみ感や粉っぽさ、処方の自由度の低さ、ハンドリングの難しさといった課題があり、市販製品への本格採用は限定的であった。
『ソリエマー TMSー30』は、同社が長年培った界面制御技術を応用し、独自のサブミクロン真球状シリカと乳化技術によりこれらの課題を解決したピッカリング乳化剤である。界面活性剤を使用せずに安定したO/W乳化を実現するとともに、優れた使用感と乳化安定性を両立している。
『ソリエマー TMSー30』の特長として、次の5点が挙げられている。
一つ目は、「界面活性剤フリーで安定した乳化を実現」することで、独自の真球状シリカの物理的配置によって乳化状態を維持する。界面活性剤を使用していないため、肌のべたつき改善および化粧もち向上を実現する。
二つ目は、「みずみずしくさらさらとした優れた使用感を提供」することで、独自技術によって粒子径の大きいエマルションを形成することで、従来のピッカリング乳化剤で課題となっていたきしみやとまり感を克服した。界面活性剤フリーによるべたつきのなさと、みずみずしく滑らかな感触を両立する製剤を調製できる。
三つ目は、「ハンドリング性が良好で配合しやすい設計」であることで、一般的な微粒子原料はかさ比重が低く飛散しやすい課題があったが、本製品は一般的な微粒子原料に比べてかさ比重が高く、粉立ちが少なく調製作業をスムーズに行うことができる。
四つ目は、「幅広い油剤に対応し、耐水性のある安定なO/Wエマルションを形成」することで、従来の界面活性剤では油剤の種類によって乳化処方に制限が生じる場合があったが、本製品はミネラルオイルやエステルオイル、シリコーンオイルなど多様な油剤に対応可能である。長期間安定した乳化状態を保持するとともに、汗や水による影響を受けにくい製剤設計を可能にする。
五つ目は、「加温工程を必要としないコールドプロセスに対応」することで、室温での撹拌のみで乳化が完了し、加熱・冷却工程を必要としないコールドプロセスでの製剤化が可能である。製造工程におけるエネルギー消費の削減や製造時間の短縮に貢献する。
