帝人は9月28日、ポリフェニレンサルファイド(PPS)コンパウンド樹脂「ソルフィガ」で、有機フッ素化合物(PFAS)を使用せずに優れた摺動性を有するグレードを開発したと発表した。 PFASフリーの「ソルフィガ」摺動グレードは、優れた摺動性に加えて高い耐摩耗性も兼ね備えており、自動車、産業機械、電気・電子機器などの部品において、環境負荷の低減と高性能の両立に貢献する。同社は、PFASフリーで摺動性を有する高機能樹脂としてポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂を展開しているが、PFAS規制への対応や、顧客が求める環境負荷の低減および性能維持の両立という課題を解決するため、PPSコンパウンド樹脂「ソルフィガ」のうち炭素繊維強化タイプとアラミド繊維強化タイプにおいて、優れた摺動性を維持しつつPFASフリーにも対応するグレードを開発。PFASフリーに対応する高機能樹脂のラインアップの拡充に乗り出している。
このたび開発した「ソルフィガ」摺動グレードは、PBN樹脂と同様にアルミニウムなどの金属部品を傷つけにくい特長を有している。また、高機能繊維の配合量を調整することで、さまざまな使用条件の摺動部品に対応可能である。
炭素繊維強化タイプでは、高強度・高剛性を活かし、高負荷条件下で使用される部材向けのラインアップを展開している。一方、アラミド繊維強化タイプでは、柔軟性を活かすことで、相手材への傷つきをさらに抑えたい部材や、組み立て時の微調整が求められる部材向けのラインアップを展開している。また、アラミド繊維強化タイプは、摺動剤を使用しない従来品と比較して、摺動性能の指標の一つである摩擦係数を約7割低減しており、PFASフリーでありながら優れた摺動性を実現している。
自動車や産業機械、電気・電子機器の分野では、製品の高性能化や長寿命化に伴い、部品の材料に対して優れた摺動性や耐摩耗性が求められている。これらの性能を実現するためには、従来はフッ素系樹脂や同樹脂を含有したコンパウンド樹脂など、PFASを含む材料が用いられてきた。一方で、PFASは環境中に長期残留することなどから各国で規制強化の動きが進んでおり、近年は従来の性能を維持しながらPFASフリーを実現する材料へのニーズが高まっている。


