カーボンブラック協会は9月29日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で第26回(2026年)年次大会を開催した。今年度から報道関係者にも公開された。同大会は、カーボンブラック事業を取り巻く情勢の中で、その時々の身近なテーマについて専門家の講演を聞くとともに、協会事務局や環境・技術委員会が業界の動向や委員会活動を報告し、会員相互の知見と理解を深めることを目的に毎年開いている。
冒頭、大串章徳運営委員長・年次大会実行委員長(日鉄ケミカル&マテリアル)は「今回から報道関係の方にも参加いただいている。この機会にさまざまな情報を公開していきたい」とし、「これから講演いただく内容は、我々カーボンブラック業界にも関係するものだと思う。今後の活動に生かしていただきたい」とあいさつした。
続いて、Touson自動車戦略研究所代表で愛知工業大学客員教授の藤村俊夫氏が「自動車業界の展望」をテーマに、各国主要メーカーの電動車戦略について基調講演を行った。同氏はトヨタ自動車でエンジンの設計開発や将来技術シナリオの策定に携わった経歴を持つ。
講演では2024~2026年にかけて各国政府がEVシフトの戦略的な誤りにようやく気付いたと説明した。その例として、EUによるエンジン車・ハイブリッド車(HEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)販売禁止措置の見直しや、米国のEV購入税額控除の廃止などを挙げた。その上で、欧米中のメーカーはEVで巨額の損失を抱え、HEVへの転換を迫られていると指摘した。
さらに、保有車を含めてCO2を48%削減するには、新車のHEV化とともに、既販車向けのドロップイン燃料の導入が欠かせないとの考えを示した。
休憩を挟み、長坂一会長(東海カーボン)があいさつした。長坂会長は業界の現状について「2026年上期の生産・出荷は前年をさらに下回った。減少幅は2~3%程度で大きな変化ではないが、この先どうなるのか心配だ」とし、「輸入品はものすごい勢いで増えており、特に中国品は今年上期に40%近く増えている。今後はインド品も増えてくるだろう」と危機感を示した。
また、炭素協会の会長として黒鉛電極のアンチダンピング措置の成立に携わった経験に触
2026年10月02日
