産総研らが新イメージング技術 タイヤ添加剤の結合を見える化

2026年09月30日

ゴムタイムス社

 産業技術総合研究所は9月28日、同所の環境創生研究部門 金誠培主任研究員と東京科学大学生命理工学院 生命理工学系 古田忠臣助教、電気通信大学環境安全衛生管理センター 北田昇雄准教授、情報理工学研究科基盤理工学専攻 牧昌次郎教授、慶應義塾大学理工学部応用化学科 チッテリオ ダニエル教授、スタンフォード大学 Ramasamy Paulmurugan教授らが、アルブミンと特異的に結合して可視光を放つ発光インジケーターを用いて、タイヤ添加剤として使われる物質を検出・可視化する新しいイメージング技術を開発したことを発表した。本技術により、発光インジケーターが化学物質の存在量に応じて示す発光変化を指標として、対象化学物質を迅速に可視化することが可能となった。

 さまざまな動物のアルブミンに特異的に結合し、特有の色と強さの光を放つ複数の発光インジケーターの分子構造を最適化した。生体イメージングへの応用により、生きたマウスに経口投与した際、タイヤ添加剤6PPDが肝臓に到達し、アルブミンと結合する様子が20分以内で観察できた。

 さらに、本手法は紙ベースのセンサーとしても実装可能であり、アルブミンを塗布した紙片に検体と発光インジケーターを滴下するだけで、簡便かつ迅速に化学物質のアルブミンへの作用を可視化することができる。本技術は、大型の分析機器を必要としない簡便・迅速な手法であることから、環境モニタリングへの応用が見込まれる。

 化学物質とアルブミンとの作用を紙片やマウス個体で可視化できる点に特長があり、今後、生体内で多様な化学物質の生理活性を可視化・シミュレーションする技術へと発展することが期待される。

 なお、この研究成果の詳細は、2026年9月28日に「Environmental Science & Technology」に掲載される。

タイヤ摩耗粉塵由来の化学物質と生体内アルブミンの結合を利用した生体イメージング

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