レオ・ラボ(東京都千代田区、藤巻稔社長)は、カナダのLabsCubed(ラボズキューブド)社が開発した超小型全自動引張試験機の国内販売を7月から開始した。同社が国内総代理店を務め、プラスチックス用の「CubeTen」と、ゴム・エラストマー用の「CubeOne」を展開する。
両試験機は、「使いやすく、手ごろな価格の自動化システム」をコンセプトに、特定のポリマー材料の引張試験に特化している。ハードウェア、ロボット機構、機械学習・ディープラーニングを活用した画像解析技術、データ処理機能を卓上型の筐体に一体化した。
開発にあたっては、ゴム・エラストマー用では、初期プロトタイプの段階からAirBoss of America社が協力。その後、HEXPOL社およびBridgestone America社が開発に加わった。プラスチックス用では、Parker Hannifin社およびMomentive Performance Materials社が、それぞれの用途に応じた技術開発に協力したという。
既存の万能試験機にロボットアームや試験片供給装置などを後付けする従来型の自動化システムとは異なり、開発当初から自動化を前提に設計されている点が特長だ。各種機構を卓上型の筐体に集約することで、省スペース化も実現した。
基本操作は簡単で、専用トレーに試験片を並べ、測定条件やサンプル名を入力してスタートボタンを押す。試験片の寸法測定、グリップへの装着、引張試験、測定結果の解析までを自動で行い、作業者が試験機に付き切りになる時間を抑える。また、電源を入れてセットアップすれば使用を開始できるなど、設置作業の簡素化も図っている。
同社は「引張試験は、作業者によって測定値にばらつきが生じやすい。試験片のセットからデータ処理までを自動化することで、省力化と再現性の高いデータ取得を両立できる」としている。
例えば、メーカーによる比較では、手動作業で8時間を要していた工程を、ゴム・エラストマーでは約70分、プラスチックスでは約25分に短縮し、作業時間を最低約85%削減できるという。また、測定データの再現性も、手動作業に比べて40%以上向上するという。
主要技術の一つが、試験片を保持する「スマート・グリップ」だ。ゴムやエラストマーは、引張試験中に試験片が薄くなることで、グリップ部に滑りが生じやすい。同機構は、材料プロファイルや試験中の挙動を基に適切な把持力を設定し、内蔵カメラで滑りを監視しながらグリップ力を調整する。複雑な条件設定を作業者に依存することなく、安定した試験につなげていく。
また内蔵カメラは、引張試験の過程をモニターするとともに、機械学習やディープラーニングの学習成果を反映したモデルを用いて、映像をリアルタイムで解析する。また、ゴム・エラストマー用、プラスチックス用ともに、最大1000%の伸びに対応した設計となっている。
同社は、ゴム・タイヤ、自動車部品、樹脂成形品などを扱う材料メーカーや第三者試験機関を中心に、研究開発や品質管理の分野で規格化された試験片を継続的に測定するユーザーへ提案していく考えだ。
ラボズキューブド社の両試験機は、世界ですでに40台以上への導入実績があるという。これまでは北米を中心に販売してきたが、今後は欧州や日本でも販売先を拡大する方針だ。レオ・ラボは、全自動化、卓上サイズ、データ処理まで含めた一体設計を訴求し、既存製品との差別化を図っていく。
同社は「人手不足への対応に加え、誰が測定しても同じ品質のデータを得られる環境づくりが重要になっている。数多くの試験を行う研究開発や品質管理の現場に対し、引張試験の運用そのものを変える装置として提案していく」としている。

ゴム・エラストマー用CubeOne

プラスチックス用CubeTen
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