三洋貿易は7月29日、同社のグループ会社であるKOTAIバイオテクノロジーズが、創薬・医学研究分野における空間解析サービスのさらなる強化を目的として、米10x Genomics製全トランスクリプトーム空間解析装置「Atera(アテラ)」を導入し、国内の製薬企業および研究機関向けの受託サービス提供開始に向けて準備を進めていることを発表した。
近年、創薬・医学研究では、細胞一つひとつの状態を解析するシングルセル解析から、組織内における細胞の位置情報を保持したまま解析する空間解析の重要性が高まっている。空間解析は、疾患メカニズムの解明や創薬標的の探索、診断技術の開発において有用性が期待されており、研究開発の高度化に欠かせない基盤技術の一つとなりつつある。
KOTAIバイオは、同社グループとなった2023年以降、今後の創薬・診断技術開発において成長が見込まれる空間解析領域に継続的に投資してきた。例として、遺伝子発現を解析する「Xenium(10x社)」、タンパク質を解析する「MACSIMA(独Miltenyi社)」、およびバイオインフォマティクス解析を組み合わせたサービス体制を整備し、国内の製薬企業・研究機関の研究開発を支援してきた。
今回受託サービスに導入するAteraは、組織を薄く2次元的に切り出した組織切片上でたんぱく質の元となる全遺伝子(約1・8万遺伝子)の発現を1細胞レベルの解像度で解析できる空間解析装置である。従来のパネル型(数百~数千遺伝子)解析では捉えきれなかった組織内の細胞状態や遺伝子発現の違いを、位置情報とともに可視化することで、高度な疾患理解や創薬研究に貢献する。
10x社Ateraの導入により、KOTAIバイオは、遺伝子発現解析、タンパク質解析、バイオインフォマティクスを組み合わせた空間解析サービスをさらに拡充する。これにより、研究者は組織構造、細胞ごとの遺伝子発現、タンパク質情報を多面的に解析でき、創薬候補の探索、疾患メカニズムの解明、バイオマーカー研究などにおいて、より高度な研究支援が可能となる。

