リケンテクノスは7月30日、国立高等専門学校機構新居浜工業高等専門学校との共同研究により、河川水やダム水などの実環境水中において有機フッ素化合物(PFAS)の分解が進行することを確認したと発表した。
PFASは「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」とも呼ばれ、世界的な環境課題となっている。今回の成果は、同社と新居浜高専が開発を進める光触媒技術について、実環境に近い条件下でも有効に機能する可能性を示すものであり、PFAS対策に向けた実用的な水処理技術の実現に向けた重要な前進となる。
将来的には、PFASに係るモニタリングや浄化対策への対応が求められる自治体や事業者において、地下水や河川水等の環境水に関する課題解決や対策コスト低減に貢献することが期待される。
今回確認した成果の特長は以下の通り。
実環境に近い条件でPFAS分解を確認。同研究では、純水系ではなく、河川水やダム水などの共存物質を含む実環境水を用いて評価を行った。その結果、この条件下においても、PFASが分解に向かって変化していることを示す挙動が確認された。
PFASの変化と評価手法との整合性。これまでに確立した評価手法を適用した結果、PFASが単に触媒表面へ吸着したことによる見かけ上の変化ではなく、分解反応が段階的に進行していることが確認された。これにより、PFASの濃度低下だけでは判断できなかった反応の進行状況を把握できる可能性が示された。
反応のメカニズムと整合する結果を確認。PFASの分解過程で観測された変化は、フッ素化芳香族化合物の反応挙動と整合するものだった。このことから、今回のPFAS分解の結果は偶然に得られたものではなく、内部電場を活用した高い反応性を有する光触媒の設計と反応メカニズムに関する理解に基づく成果であると考えている。
同研究成果は、特殊な試薬や大量のエネルギー投入を必要とせず、評価指標・設計思想・反応メカニズムの理解が統合された形で、実環境に近い条件でPFASの分解を示す結果を確認できた点に意義がある。また、PFASの濃度変化だけでなく、反応がどのように進行しているかを評価できる可能性を示したことで、より信頼性の高い技術開発につながることが期待される。同成果は、光触媒を活用した実用的な水処理技術の実現に向けた重要な前進であると考えている。
PFAS対策は今後、自治体や事業者にとって重要な環境課題の一つになると考えられる。特に地下水や井戸水、河川等の環境水については、継続的な調査や監視、浄化対策の重要性が高まることが見込まれている。同技術は、そうした課題への対応に必要となる浄化技術の選択肢を拡大し、将来的な規制対応や社会的・経済的負担の低減につながることが期待される。
今後は、処理条件の最適化や繰り返し使用時の性能評価、処理規模の拡大に向けた検証を進め、同技術の社会実装に向けた取り組みを加速していく予定。また、酸化鉄を基盤とした光触媒水処理技術として、PFASを含む難分解性有機物への応用可能性についても検討を進めていく。
同社は、産学連携による共同開発を通じて、新たな技術の創出と社会課題の解決に取り組んでいく。
2026年07月31日

