帝人はこのほど、愛媛県松山市の松山事業所北地区で都市ガスを燃料とするガスコージェネレーションシステムによる自家発電設備を本格稼働させた。同設備は、発電時に発生する排熱を有効活用し、電力と熱を同時に供給する高効率エネルギーシステムであり、CO2排出量の大幅な削減とエネルギー供給の安定化を両立するもの。
同社グループは、重要な経営課題として「気候変動の緩和と適応」を掲げ、「2050年度までにCO2排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を達成する」ことを長期目標としている。同社最大規模の生産拠点である松山事業所におけるエネルギー転換は、グループ全体の環境負荷低減において極めて重要な取り組みとなっている。松山事業所ではこれまで、石炭および石油燃料を使用した自家発電設備を運用してきたが、設備の老朽化への対応と環境負荷低減が課題となっていた。こうした背景を踏まえ、当社は22年10月に、同事業所北地区の自家発電設備を都市ガス燃料のガスコージェネレーションシステムへ転換することを決定した。
今回稼働を開始した新設備は約3万kWの発電能力を有し、受配電設備の更新も含めた投資規模は百数十億円にのぼる国内有数の産業用ガスコージェネレーションシステムである。また、将来的には燃料を水素に置き換えることも可能な設計であり、クリーンエネルギー化の進展にも柔軟に対応できる。同設備の本格稼働により、松山事業所のCO2排出量は18年度比で年間約20万トン削減できる見込みだ。これにより、エネルギー利用効率の向上および供給の安定化が図られるとともに、事業継続性(BCP)の強化にもつながる。
また、同取り組みにより同社は、自家発電に石炭を使用してきた日系化学繊維メーカーの中で先駆けて「完全脱石炭化」を達成した。同社グループは、今回の本格稼働を重要なマイルストーンと位置づけ、今後も再生可能エネルギーの導入拡大や、設備稼働データを活用したさらなる省エネルギー施策を推進し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速していく。
2026年04月28日
