帝人らが内閣総理大臣賞受賞 共同開発の心・血管修復パッチ

2026年04月21日

ゴムタイムス社

 福井経編興業、帝人、帝人メディカルテクノロジー、大阪医科薬科大学は3月30日、共同開発した心・血管修復パッチ「シンフォリウム」に関して、第10回「ものづくり日本大賞」において最高位である内閣総理大臣賞を受賞したと発表した。
 「ものづくり日本大賞」は、製造・生産現場の中核を担う中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、さらには将来を担う若年人材など、「ものづくり」に携わっている各世代の人材のうち、特に優秀と認められる人材を表彰するものとなる。同賞は、平成17年から開催されており、今回で10回目となる。
 今回の受賞案件は「異業種間連携と歴史ある技術の組合せによる革新的な医療材料の開発」であり、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の開発に関わった4機関が受賞した。
 福井経編興業が長年培ってきた経編技術、先天性心疾患の治療における大阪医科薬科大学の根本慎太郎教授の着想、そして帝人グループの製品開発力を結集した産学連携により、患者の組織に置き換わり、成長に追従して伸張可能な革新的な心・血管修復パッチ「シンフォリウム」を開発したことが評価された。
 心・血管修復パッチ「シンフォリウム」は、先天性心疾患の手術で使用される医療機器となる。吸収性の糸と非吸収性の糸で編んだ特殊な構造のニットに、吸収性の架橋ゼラチン膜を一体化させている。手術によって心臓や血管に縫着された後、まず架橋ゼラチン膜が、次に吸収性の糸が徐々に分解され、その間に非吸収性の糸を含むように自己の組織が形成される。これにより、先天性心疾患の外科手術後に生じる材料の劣化や、成長に伴うサイズのミスマッチによる再手術リスクの低減が期待されている。
 今後も、それぞれの技術や知見を持ち寄りながら、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」のさらなるプレゼンス向上を進めていく。また、世界中の先天性心疾患の患者さんのQOL向上に貢献するため、海外における製造販売承認取得に向けた活動を行っていく。さらに、同技術を応用した弁形成用の素材や、先天性心疾患治療に使用される弁付きの人工血管など、現在の未充足な医療ニーズを解決できるような製品の開発を通じて、社会へのさらなる貢献を目指す。

表彰式の様子

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