日本精工とサイフューズは3月17日、再生医療や次世代ヘルスケア業界向け3D細胞製品の普及と商業生産の実現に向け、新型バイオ3Dプリンタを共同開発したことを発表した。
現在の再生医療業界では、2030年には関連市場が約83億米ドルに達すると予測される中、高品質な細胞製品を安定的に大量生産できるデバイスの開発が急務となっている。
このような状況のもと、両社は、3D細胞製品の製造工程における機械化・自動化を目指し、2022年より、新技術開発での協創を開始し、2024年には、新たな細胞製品の実用化・商業化に向けた新技術の開発に成功するなど、3D細胞製品の製造工程の機械化・自動化へ向けた新技術開発等を進めてきた。
このたびの新型バイオ3Dプリンタは、サイフューズ独自の「バイオ3Dプリンティング」技術と、NSKが産業機械向け事業で長年培ってきた精密位置決めを特長とするコアテクノロジーを高度に融合させることで誕生した。
新型バイオ3Dプリンタの主な特長として、サイフューズのバイオ3Dプリンタ「SーPIKE」の設計思想を継承しつつ、商業生産に不可欠な「製品スケールアップ」と「製造工程のコンパクト化・自動化」において技術的進化を遂げている。
①大型組織作製を実現:NSKのコアテクノロジーにより、より高精度な制御が可能となった。これにより、従来の「SーPIKE」の強みであるデザインの自由度を維持したまま、大きく複雑な立体組織の作製へも対応可能となった。
②製造工程のコンパクト化・自動化:細胞塊の分注から積層までの個別の工程を一連の製造工程として、安全キャビネット内に集約して自動化することに成功した。集約にあたり重要な役割を果たしたのが、本デバイスに搭載されているNSK独自の「低発塵・除染対応アクチュエータ」である。本アクチュエータは、密封カバーなどの付帯機構を追加することなく、省スペースでありながら微粒子発生や感染リスクを排除することのできる高い機能性が備わっている。
これにより、省スペースでの安定生産を可能にし、将来的な製造コストの低減と人手不足の解消等への貢献が見込まれる。
今後は、本デバイスを用いて作製した3D細胞製品の評価およびデバイス自体の販売・展開を主導するサイフューズと連携し、成長拡大市場である再生医療領域において、サイフューズが製品開発を進める革新的な再生医療等製品や、機能性食品・化粧品等の次世代ヘルスケア分野における画期的な3D細胞製品の商業生産への本デバイスの市場投入を目指していく。
なお、2026年3月19~20日に開催される「第25回日本再生医療学会総会」(神戸市)にて、本デバイスを紹介する。本学会等の機会を通じて、顧客ニーズを収集し、実用化・市場投入への取り組みをさらに加速させていくとしている。

