「すべてを持続可能に」を企業ビジョンとするミシュランは3月12日、同社のアジア初研究開発拠点であるR&Dセンターが設立35周年を記念し、社内イベントを開催したと発表した。1991年の設立以来、日本の自動車メーカー向けのタイヤ開発から、アジア各国の工場の量産化支援まで、幅広い技術活動を行ってきた。イベントでは、これまでに日本から世界へ活躍の場を広げた研究員や、現在海外で勤務している研究員からお祝いのメッセージが寄せられ、餅つきやだるまの目入れなど日本らしい企画で節目を祝った。
2026年2月1日付で、諸林孔明氏が日本人初の日本ミシュランタイヤ研究開発本部クニカルディレクター、乗用車タイヤ開発アジアオセアニアに就任した。同社は世界9ヵ国にR&D拠点を持ち、研究開発部門の専門性と先進的な知見を積極的に活かし、技術革新を力強く牽引している。ジャパンR&Dセンターは今後もアジアを中心に世界のモビリティ市場に必要とされるタイヤ開発を推進していく。
ジャパンR&Dセンターが長年取り組んできた製品開発の一つにMICHELIN Primacyシリーズがある。顧客の要求を満たす静粛性能を高めることで、乗り心地を追求した商品となる。プレミアムコンフォートを目指すこのシリーズの開発は約20年前にスタートした。高い静粛性を求める日本市場のニーズにこたえるべく、新しい技術とデザインを試しては失敗を繰り返し、開発と量産化は難航した。
2009年のPrimacy LC 販売開始以降、このシリーズは最上質なプレミアムコンフォートタイヤとして認められるものとなった。先日発表したMICHELIN Primacy 5 Energyまで続くPrimacyシリーズの開発を手掛け、静粛性、操安性、耐摩耗性、低燃費性の向上など、ミシュランタイヤの目指す、トータルパフォーマンスに優れたタイヤづくりを続けている。ジャパンR&Dセンターの開発したタイヤはグローバル市場でも愛される製品として世界の多様な路面で安全で快適な乗り心地を提供し続けている。
ジャパンR&Dセンターが実装に貢献した技術に、プレミアムタッチがある。タイヤのサイドウォールに深みのある上質な黒さとベルベットのような高級感ある手触りを実現している。タイヤの性能に加え、見栄えもプラスすることが、商品価値を上げると考え、開発を続けている。黒い外観はタイヤにプレミアム感を与え、同社製品を好む顧客にとって、新たなシフトチェンジとなるテクノロジーとなる。タイヤのサイドウォール表面を0・1mm 以下で精密に加工することで、「深みのある黒」と「ベルベットのような手触り」を実現する同社独自のデザイン技術となる。
これからのジャパンR&Dセンターは、働き方の変化やテクノロジーの進化により、これまで以上にスピード感のあるイノベーションが求められている。同社では、この変化を好機と捉え、バーチャル技術やAIを使ったデータ分析も積極的に活用し、材料開発、補修用・純正装着用のタイヤ開発、性能研究・試験など、タイヤの研究と開発について総合的に活動できる体制を整える。
経験豊富なシニアエンジニアとともに開発に取り組むことで、若手研究者の成長を促し、世界中のエンジニアとのネットワークをさらに広げることができる。こうした環境を、次の時代の技術革新を生み出すための原動力とし、センターの未来をさらに活性化させる。
2026年03月13日



