DUNLOPは3月4日、タイヤや車両、路面の状態を検知する独自のセンシング技術「センシングコア」をグローバルで展開しているが、このたび、センシングコアの「タイヤ荷重検知」と「タイヤ空気圧検知」が、中国商用EV市場の主要プレイヤーである重慶瑞馳汽車実業の新型商用EV「瑞馳C5」に搭載されたと発表した。センシングコアの中国展開は今回が初であり、同社におけるタイヤ荷重検知の搭載は世界初となる。
タイヤ荷重検知は、荷物の積載量や積載位置の変化をリアルタイムに検知し、検知結果を車両制御に提供する。積載状態の変化によって生じる「発進・停止・旋回時の不安定な運転フィーリング」を抑制し、ドライバーの負担軽減や荷物の安定輸送に貢献する。同機能は今後、瑞馳社の他モデルへの展開も予定されており、同社では引き続き採用拡大に取り組んでいく。
先進運転支援システム(ADAS)を備える車両では、一定の積載状態を前提とした制御が行われるため、実際の積載状態と制御との間にずれが生じ、ドライバーの快適性や荷物の安定性に影響を及ぼすケースが見られている。その結果、商用車両においては、積載状態に左右されにくい、加減速制御の滑らかさや安定性が、これまで以上に重視されるようになってきた。この度、これら一連の課題に対する有効な解決策として同社のタイヤ荷重検知が採用された。追加センサーを必要とせず、既存車両の構成を変えずに導入できる点に加え、コスト面でのメリットも大きな決め手となった。
センシングコアは、タイヤの回転から得られる車輪速データと、車両に流れるCANデータ(車両制御情報)を解析することで、タイヤや車両の状態を検知する同社独自のソフトウェア技術となる。タイヤの空気圧や摩耗状態、タイヤにかかる荷重、路面状態、さらには車輪脱落の予兆などを、追加のセンサーを用いることなく検知できる点を特長としている。
瑞馳社の新型商用EV「瑞馳C5」に搭載されたタイヤ荷重検知は、積載量や積載位置の変化に応じて、左右のタイヤにかかる荷重の合計値を前後それぞれの車軸に対してリアルタイムで検知する機能となる。検知された荷重情報は車両制御に提供され、積載状態に応じた加減速時のトルク出力やブレーキ制御の最適化に活用される。これにより、荷物の積み下ろしを繰り返す都市部配送においても、積載状態の変化に左右されにくい、滑らかで安定した運転フィーリングを実現する。
タイヤ荷重検知の導入により、都市部配送における走行安定性や運転フィーリングの向上に加え、エネルギー効率の改善など、さまざまな効果が期待される。
同社では、CASE/MaaSに対応する高い安全性能・環境性能を実現するために、タイヤ開発および周辺サービスの開発コンセプトとして「SMART TYRE CONCEPT」を掲げている。その周辺サービスの中核を担うのが「センシングコア」となる。同社はセンシングコアをタイヤ・スポーツ・産業品に次ぐ主要事業の第4の柱として育成していく考えとなる。この方針のもと、タイヤ荷重検知は、モビリティ分野の中でも特に商用車両の領域において、センシングコアの価値を具体的に実装・展開していく重要な役割を担うものと位置づけている。都市部配送における頻繁な発進・停止や積載状態の変化といった課題は、中国に限らず、日本を含むアジア各国においても共通するものとなる。同社は今回の採用を契機に、国内外でのさらなる展開を目指す。
2026年03月06日
