住友理工は3月4日、トヨタ自動車が開発した競技用チェアスキーにおいて、「薄膜高断熱材:ファインシュライト」が採用されたと発表した。
チェアスキーは、座位カテゴリーの選手が使用するもので、1本のスキー板の上にシートが取り付けられている。シートとスキー板の間には、人間の膝と同じようにクッションの役割を担うフレームと、激しい滑走中でも脚が動かないように固定するカウルが取り付けられている。選手が、シューズ等を履かず下半身をカウル内に入れた状態で滑走するため、特に下半身が冷気にさらされやすく、マイナス30℃の厳しい環境下において選手の凍傷を防止する観点から、カウルの内側に断熱材が必要となる。
そこで、1・0mm以下でも高い断熱性能を持ちながらも柔らかく軽量である特長を持つファインシュライトが、選手の動作性や安全性を損なうことなく断熱性能を確保できる点も評価され、採用に至った。
ファインシュライトは、航空宇宙産業でも使用される高断熱フィラー「シリカエアロゲル」を応用した製品となる。シリカエアロゲルは非常に高い断熱性能を有する一方、極めて低比重で疎水性が高いため、塗料化が難しいとされてきた。同社は長年培った高分子材料技術を駆使し、塗料化に成功した。現在は、フードデリバリーなどの定温保管・輸送に貢献する製品や、脱炭素に向けた工場設備にも活用されており、顧客の熱マネジメントに関する課題解決に寄与している。
同社グループは、経営ビジョン「2029年住友理工グループVision」で掲げる「持続可能な社会に向けた価値づくり」を推進している。今後も社内外での共創のもと、技術の進化・融合による新たな価値創出を目指し、持続可能な社会に貢献する製品開発・事業展開を加速させていく。
2026年03月06日


