旭化成がグッドデザイン賞受賞 展示会出展を体系化したプレイブック

2025年10月17日

ゴムタイムス社

 旭化成は10月15日、同社が策定・運用する「エキシビションプレイブック」が同日に発表された2025年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。
 名称「エキシビションプレイブック」は、主にマテリアル事業による展示会出展において、イベントとしての効果を最大化し、人的・金銭的リソースの最適配分を実現し、コーポレートブランドの統一と強化を図る、そのために人間工学や心理学の知見を取り入れ、科学的根拠に基づいて設計された「プレイブック」を策定、運用する。
 同社では、展示会におけるブランドコミュニケーションの理想像を体系的に設計・実現するため、一般的なデザインルールの枠を超えた「プレイブック」を策定した。同書は、ブランディング、マーケティング、UXデザイン、人間工学の知見および過去のベストプラクティスを基に、「テンプレート」「理論」「サンプル」の3要素で構成している。
 内容は空間意匠にとどまらず、視認距離に応じたサイン計画、展示会という特殊環境下における通路幅や寸法設計、人間工学や心理学に基づくパネル設計など、来場者の行動と心理に根ざした科学的な体験設計を網羅している。
 2024年5月の「人とくるまのテクノロジー展」から運用を開始し、これまでに6つの展示会で活用している。リード数は最大2・5倍に増加し、ブース製作費用は平均26%削減を達成した。マーケティングのROI向上と業務標準化に大きく貢献するだけでなく、アセットのリユースにより廃棄物量を30%削減し、環境負荷低減も実現した。
 審査員は、「属人化や非効率が常態化していた展示会出展に対し、人間工学や心理学をも含む知見で整理し、『プレイブック』として体系化した点に強い説得力がある。従来の経験則から抜け出し、科学的にブランド体験を統一しつつ効率化を実現する仕組みは、他の企業や産業にも波及しうる普遍性を持つ。さらに什器やノウハウの再利用によってサステナビリティを高める点も評価に値する。展示会という一過性の活動を持続可能で戦略的なブランド形成へのエンジンへ転換している」とコメントしている。
 同件は、11月1~5日に東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「2025年度グッドデザイン賞」の全受賞作を紹介するイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」にて、展示される。
 同社は今後、プレイブックの適用範囲を拡張し、中国国際輸入博覧会をはじめとする海外展示会の効果最大化を推進していく。

プレイブックイメージ

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ブースイメージ

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