ダイセルらが寄付研究部門設置 エレクトロニクス技術の開発

2025年10月03日

ゴムタイムス社

 東京大学生産技術研究所とダイセルは10月1日、同日に、東大生研に「ダイセル人を繋ぐエレクトロニクス」寄付研究部門を設置したと発表した。
 同研究部門では、人類をやさしく支える未来のヘルスケアやVR/AR技術の実現に向けて、人の肌のようにしなやかで柔らかな材料の開発から、それを用いたデバイスが肌に自然に密着し違和感なく機能する生体応用まで、人と優しく繋がるエレクトロニクス技術の幅広い研究開発を、産学連携の体制のもと推進する。
 特に東大生研の国際的で多様性に富んだ環境で、次世代の研究者育成に取り組む。
 東大生研は、1949年に設置された国内最大規模の大学附置研究所となる。現在は、およそ120の研究室を擁し、約400名の教職員を含め、総勢1300名以上が、教育研究活動に従事している。工学のほぼ全領域を包含する総合工学研究所また世界的中核研究所として、先端的な工学知を創造・発信するとともに、社会における様々な課題の解決や産業の創成に貢献し、数多くの分野融合かつ国際的な活動を組織的に展開している。研究教育のより一層の活性化を図ることを目的として、民間等からの寄附より、寄付研究部門を開設している。
 具体的な研究分野を協議設定し、新規研究分野の発展、境界領域の育成、既存分野の活性化に役立てている。
 ダイセルは、「健康」「安全・安心」「便利・快適」「環境」をキーワードに、幅広い事業領域で、社会と人々に役立つ素材を提供している。エレクトロニクス分野においても機能フィルムや半導体材料など様々な研究開発を行い、パートナーと共に未来に向けた価値創造に挑み続けている。
 このたび設置する「ダイセル人を繋ぐエレクトロニクス」寄付研究部門では、人とエレクトロニクスを繋ぐエレクトロニクス技術を材料・デバイス・応用のマルチスケールで開発する。生体と同じように柔らかく生体適合性の高い電子材料とその加工技術、それらを用いた柔らかい電子デバイス(センサ・ディスプレイ・回路)、ヘルスケアデバイスやヒューマンコンピュータインターフェースとしての応用探索を進める。
 人と優しく繋がるエレクトロニクス技術は、疾病の予防や早期発見を可能にするヘルスケアデバイスや、人と人の交流を自然に活性化する情報端末などを実現できる。さらに同研究は、研究者や学生の国籍、研究分野(化学合成から生体応用まで)において多様性に富んだ環境の中で推進される。このような環境により、特定の分野や枠組みにとどまることなく、科学や社会全体を広く見渡す視点と知識を備えた研究者の育成を目指す。

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