AdvanSentinelは9月30日、環境DNA解析に最適化した濃縮キット「QuickConc」シリーズに、ゼオライト添加によるPCR阻害回避プロトコルを採用したフィルターろ過タイプの新製品「QuickConc Vacuum Plus」を追加、発売すると発表した。
河川・湖沼・沿岸域などの濁水サンプルで問題となるフミン酸由来成分等のPCR阻害をゼオライトが吸着・捕捉することで核酸のロスなく下流のPCR/定量PCR(qPCR)やライブラリ調製の成功率と再現性の向上を後押しする。
ラボ濃縮専用フィルターろ過タイプQuickConc Vacuum Plusは、核酸収量を損なうことなくPCR阻害を低減させ、高濁度環境水にも対応できる特長がある。
その他の特長を挙げると、まずはゼオライト添加でPCR阻害を回避する点となる。同梱のゼオライト添加剤をサンプルに投入・撹拌するだけで、フミン酸等の有機酸、多価金属イオン、一部の界面活性剤など、PCR阻害の主要因を吸着し、下流反応への影響を低減する。
ついで、追加精製が不要な点となる。阻害物除去キット等の別工程を追加せず、既存のワークフローとほぼ同一の手順で運用できる。回収効率を損なわずに濃縮が可能となる。
その他、濁水に強いフィルターろ過も特長となる。QuickConcで採用する口径が大きいフィルターと組み合わせ、高濁度環境水でも通水性と回収効率を両立する。
迅速な濃縮と作業の効率化も可能となる。複数ポートを持つ吸引ろ過装置との組み合わせにより多数の環境水を効率良く同時処理ができる。
河川、湖沼、池、海水など、多様な環境水に適用可能な幅広い適用性にも注目が集まっている。
既存のワークフローとの互換性も特長となる。QuickConcシリーズで濃縮したサンプルは、環境DNA学会マニュアルに掲載されるQIAGEN社のDNeasy Blood and Tissue kitなど、既存のDNA抽出キットと組み合わせて使用できる。
発売日は2025年9月30日で、10月中旬以降に納品の予定となる。1キット20テスト入り、価格は1万9800円(税込)。同社ホームページサイトおよびAmazonサイトにて注文できる。
2025年10月02日

