帝人フロンティアが泰で生産能力増強 高強力リサイクルポリエステル長繊維

2025年09月11日

ゴムタイムス社

 帝人フロンティアは9月8日、タイヤコードやゴム製品補強材、シートベルトなどに使用される工業繊維向けの高強力リサイクルポリエステル長繊維の需要増に対応するため、ポリエステル繊維の製造・販売を展開するグループ会社のテイジン・ポリエステル(タイランド)における、同繊維の生産能力増強を決定したことを発表した。

 2023年に欧州ELV規則案が発表されるなど、資源循環に向けた強い要求を背景に、工業繊維用途でのリサイクルポリエステル長繊維の需要が高まっている。また、自動車など工業製品の安全性向上のため、高強力や難燃性などより機能性の高い産業資材向けポリエステル長繊維のニーズも拡大している。
 同社は、これらのニーズに対応する原糸をTPLで生産しているが、原糸生産の前工程設備の制約により、同じ設備で生産する工業繊維向けリサイクルポリエステル長繊維および産業資材向け機能性ポリエステル長繊維の増産が困難な状況であった。
 今回、工業繊維用途における高強力リサイクルポリエステル長繊維の需要増に対応するとともに、機能性ポリエステル長繊維の用途展開を拡大するため、前工程設備を改良し、これらの原糸を増産することを決定した。

 増産に関する概要は、増産開始時期が2025年11月を予定しており、生産品は「工業繊維向け高強力リサイクルポリエステル長繊維、その他」で、生産量は620t/年(2025年度予定)となる。

 これら高強力リサイクルポリエステル長繊維および、産業資材向け機能性ポリエステル長繊維は、原糸やそれらを使用した製品として、同社グループ向けをはじめ、国内・海外に幅広く販売していく。
 将来的には、新開発の工業繊維向け機能性リサイクルポリエステル長繊維などの生産にも本設備を活用していく。

TPLの外観

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