東洋紡の26年3月期第1四半期決算は、売上高が1029億1000円で前年同期比2・2%減、営業利益は55億6600万円で同80・2%増、経常利益は42億6700万円で同111・8%増、四半期純利益は15億7300万円で同100・7%増となった。
セグメント別では、フィルムの売上高は446億円で同5・9%増、営業利益は40億円で同166・4%増となった。包装用フィルム事業では、人件費や物流費などの製造コスト上昇に対して製品価格の改定を進めたことにより、収益が改善した。工業用フィルム事業では、セラミックコンデンサ用離型フィルムは、販売が拡大した。液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」は強い需要に支えられて堅調に推移した。
環境・機能材の売上高は254億円で同9・4%減、営業利益は15億円で同15・0%増となった。樹脂・ケミカル事業では、エンジニアリングプラスチックは、海外向けの自動車用途の販売は低調だったが、製品価格の改定が進んだ。工業用接着剤「バイロン」は、欧米向け塗料・接着用途や東南アジア向け電子材料用途の販売が増えた。水現像型感光性印刷版用途の光機能材料は、中国や東南アジア向けの販売が堅調に推移した。
環境・ファイバー事業では、環境ソリューションは、EV市場減速の影響により、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置の出荷が減少した。不織布マテリアルは、国内生産体制の見直しが進み、収益性が改善した。
通期の連結業績予想は売上高が4400億円で前期比4・3%増、営業利益が210億円で同26・1%増、経常利益が155億円で同46・4%増、当期純利益は45億円で同124・6%増を見込んでいる。
