島津製作所と京都大学は7月11日、社会課題の解決に資するイノベーションおよび新事業の創出と、グローバルな高度人材育成を目的とする包括連携協定を締結したことを発表した。両者は2022年に「社会課題の解決に資する革新的な技術の獲得及び新事業の創出」「新事業を社会実装する人材の育成」を目的とした3カ年の包括連携契約を締結して、ヘルスケアやグリーンにおける事業テーマ探索、共同研究などに取り組んできた。この度、従来の協定を発展させて新たな包括連携協定を結び、同社が目指す4つの社会価値創生領域(ヘルスケア、グリーン、マテリアル、インダストリー)に研究対象を拡大するとともに、文理融合の共同研究を強化する。契約期間は5年間となる。
新たな包括連携においては、これまでの「社会課題の解決に資する革新的な技術の獲得及び新事業の創出」「新事業を社会実装する人材の育成」の取り組みに加え、新たに「未来社会を切り拓く卓越研究推進プロジェクト」「データ活用による社会価値創出プロジェクト」を始める。前者は「2050年における人と地球のwellーbeing」に向けて、京都大学と同社の経営層が推薦する学内の卓越研究者と、自然科学と人文・社会科学の融合する研究の推進で、人と社会の未来研究院長の内田由紀子教授や、大学院理学研究科の橋本幸士教授らと共同研究に取り組む。後者は京都大学のデータ活用による社会価値を創出できる研究シーズを広く公募し、当社の4つの社会価値創生領域での共同研究により、革新的な技術および新事業の創出を目指す。
また、「活躍する人材の創出プロジェクト」では、従来の京都大学に社員を派遣する「REACHプロジェクト キャリア」に加え、修士課程修了時に学生を同社で採用し、博士後期課程に社員として派遣する「REACHプロジェクト ストレート」を開始する。さらに、両者が有する海外拠点を活用し、海外で活躍できる人材育成・活躍支援をグローバルに展開していく。