伊藤忠商事、インドネシアに新会社 天然ゴムのサステナ活動を推進

2025年06月26日

ゴムタイムス社

 伊藤忠商事は、サステナビリティサービス会社「PT PROJECT TREE INDONESIA」(本社インドネシアジャカルタ、PTI)を設立し、25年6月より営業を開始している。
 天然ゴムは、世界消費量の約70%がタイヤに使用される、現代社会に欠かせない天然資源である一方、タイやインドネシアなどの東南アジアを中心とする世界生産量の約85%を小規模農家に依存している。従来の小規模農家自身による農園管理には限界があり、違法伐採、人権問題、未熟な農業技術などの懸念がある。
 また、欧州では森林破壊防止規則(EUDR)が発効され、25年12月30日以降にEU域内に持ちこまれる天然ゴム・タイヤ製品は森林破壊に加担していないことの証明が義務付けられるなど、天然ゴム・タイヤ業界では環境問題や人権問題への対応が重要になっている。
 同社は、傘下の天然ゴム加工会社Aneka Bumi Pratama(本社インドネシア、ABP)とともに、天然ゴム業界の課題解決に向けた取組にいち早く着手した。19年にトレーサビリティシステム構築に向けブロックチェーン技術の実証実験を始め、21年には「PROJECT TREE」として商用化し、ABPでは、EUDR対応ゴムの安定供給体制が既に構築されている。これまではABPを介して「PROJECT TREE」を展開してきたが、今後はPTIの下で「PROJECT TREE」を推進することで、ABP以外の天然ゴム加工事業者のサプライチェーンにおいてもサステナビリティ活動を実施できるようになる。同活動を推進する人材をPTIで育成し、EUDR対応ゴムの更なる普及を図り、天然ゴム業界全体のサステナビリティ向上に貢献していく。

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