島津理化がGakkenとコラボ 感応起電機を復刻生産

2025年06月26日

ゴムタイムス社

 島津製作所は6月25日、同社のグループ会社として、研究・教育設備、理化学機器などの製造・販売を行う島津理化が、創業期の象徴的な製品「ウイムズハースト式感応起電機」をGakkenの「大人の科学マガジン」とのコラボレーション企画として復刻生産し、同社創業者の初代島津源蔵氏の生誕日である同日より創業150周年にちなんで限定150台を発売すると発表した。
 購入者自身が組み立て、手動で電気を起こして放電を観察できる実験キットとなる。同製品はAmazon.co.jp、Yahoo!ショッピングおよび島津理化の販売代理店を通じて発売する。
 英国の発明家ジェームズ・ウイムズハーストが1883年に発表した感応起電機は、金属箔が貼られた2枚のガラス円盤を近距離で逆方向に回転させることで静電気を発生させる手動の発電機となる。
 その1年後に初代源蔵氏の息子である当時15歳だった島津梅治郎氏(後の二代源蔵氏)が日本で初めて製作した。初代源蔵氏は自ら編纂した月刊誌『理化学的工芸雑誌』(1886年創刊)の最初の製品広告にウイムズハースト式感応起電機を掲載している。
 この感応起電機は「島津の電気」と呼ばれて、教育や研究の現場で活躍しただけでなく、第三高等学校(現京都大学)の村岡範為馳(はんいち)教授がレントゲン博士によるX線発見を受けた追実験において、電源として採用された。
 追実験では二代源蔵氏と弟の源吉氏が村岡教授の助手を務めて、レントゲン博士の発見から11ヵ月後の1896年10月10日にX線写真撮影の成功に協力している。ウイムズハースト式感応起電機は、創業期の同社にとって成長の礎となった象徴的な製品だった。
 同社は今年3月に創業150周年を迎えて、様々な記念事業を進めている。島津理化による同製品の限定発売もその一環となる。同社は創業時の理化学器械事業を継承して、教育の場を創造するためのコンサルティング事業などに取り組んでいる。

ウイムズハースト式感応起電機

ウイムズハースト式感応起電機

大人の科学マガジンとコラボ

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