日東化工、実証事業を開始 再生マット2種類を並行生産

2025年06月20日

ゴムタイムス社

 エンビプログループの日東化工は、使用済みタイヤを原料とする再生マット2種の並行生産スキームを新規開発する実証事業を開始した。同実証では、使用済みタイヤを含むゴム廃材を原料とし、耐摩耗性、耐スリップ性、耐水性に優れた2種の足場用の再生ゴムマットを同一行程で並行製造する。これにより新たな資源循環市場を創出し、人件費削減、生産性向上、価格競争力向上を図り、販売価格を従来のマット製品の約3分の2に抑える見込み。2031年には年間1500トン以上の使用済みタイヤ・工程廃材を原料に、テクスチャーマットを4万枚以上、ソリッドマットを8500枚以上生産する計画。この取り組みにより年間2607トンのCO2排出を抑制できるとしている。
 同実証で製造する再生ゴムマットはテクスチャーマット(ブラックターフ)とソリッドマット(新製品) の2種類で、ソリッドマットは同実証による新製品となる。テクスチャーマット(ブラックターフ)の再生資源化率98%以上。特徴は、使用済みタイヤを1mm以下に粉砕し、硫黄を混ぜて成型した再生ゴムマットであり、用途は重量建機の養生材、敷鉄板の代替品等。ソリッドマット(新製品) の再生資源化率は60%以上(目標)。特徴は、工程廃材と使用済みタイヤの粉末を混ぜたリサイクル材とバージン材を配合し成型した再生ゴムマットで、重量建機用養生材、歩行者通路等を用途としている。2種類とも敷き鉄板や樹脂マットを使用している建機・保安用品のレンタルメーカー向けに、テクスチャーマット及び、ソリッドマットを提案していく。なお、同実証の設置場所は日東化工本社・湘南工場。稼動開始は26年9月を予定している。
 工程廃材は通常、排出事業者が処分費を払って廃棄処分しているが、同実証では当社グループが排出事業者より買い取りソリッドマットへマテリアルリサイクルすることで、ゴム業界全体の廃棄物削減に貢献する。さらに、ソリッドマットの製造工程で排出される工程廃材もテクスチャーマットへ再利用することで、同実証の製造工程で発生する廃棄物は投入材料の重量比5%以下、埋め立てゼロに抑える計画だ。

テクスチャーマット(ブラックターフ)

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