東洋紡は6月16日、同社が開発したポリエステル系合成紙「カミシャインNEO」を活用し、ラベル台紙の水平リサイクルを推進する取り組み「資源循環プロジェクト」が、世界包装機構主催の「ワールドスターコンテスト2025」において、特別賞のサステナビリティ部門シルバー賞を受賞したことを発表した。本賞は、環境負荷の低減や資源の有効活用といった観点から特に優れた取り組みに贈られるもので、「資源循環プロジェクト」はサーキュラーエコノミーの実現に貢献するロールモデルとして評価された。
本プロジェクトは、同社を含む異業種6社が共同で推進する、ラベル台紙の資源循環型水平リサイクルを通じて、ラベル台紙の廃棄ゼロを目指す環境配慮型の取り組み。
飲料や日用品、医薬品などの製造工程において、製品にラベルを貼付した後の剥離紙(ラベル台紙)の使用量は、年間約14億平方メートルに上ると推計され、その大半が資源として回収・再利用されることなく、焼却または埋め立て処分されている。本プロジェクトでは、ラベル台紙の素材を従来の紙から同社が開発したポリエステル系合成紙「カミシャイン」に置き換えることで、使用済み台紙の有価回収・マテリアルリサイクルを可能にした。さらに、回収した「カミシャイン」製の台紙を原料の一部とするリサイクル専用台紙「カミシャインNEO」を導入することでラベル台紙の水平リサイクルを実現し、廃棄ゼロを目指している。
ワールドスターコンテストは、優れたパッケージおよびパッケージ技術の開発・普及を目的として、世界包装機構が毎年開催する包装分野における世界最大級のコンテスト。各分野の応募作品について審査の上、「ワールドスター賞」が授与される。
特別賞(サステナビリティ部門)は、「ワールドスター賞」の受賞作品の中から、環境負荷の低減や資源の有効活用といった持続可能性の観点で特に優れた事例を対象にして、追加審査を経て表彰される。2025年のコンテストでは、世界各国から550件の応募があり、「資源循環プロジェクト」を含む260件がワールドスター賞を受賞した。この中からさらに選考が行われ、サステナビリティ部門では、ゴールド賞(1件)、シルバー賞(1件)、ブロンズ賞(2件)が決定、「資源循環プロジェクト」はシルバー賞を受賞した。