日本ゼオンが研究棟を新設 植物由来の原料製造プロセス開発

2025年06月11日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは6月9日、ゼオンケミカルズ米沢敷地内に、植物原料由来の原料製造プロセス開発を行う研究棟を新設したことを発表した。
 本設備では、合成ゴムの主原料であるブタジエンやイソプレンを植物原料から直接生産するバイオ技術の開発を推進し、資源循環型社会の実現を目指す。

 同社では、中期経営計画STAGE30の全社戦略1に「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する『ものづくり』への転換を推進する」を掲げ、2030年に全グループにおけるCO2排出量を2020年度比で42%削減することを目標値に設定している。今回、化学反応やバイオ発酵のプロセス開発をまとめて行える研究設備を整備し、原料転換に主眼を置いたものづくりを進めることで循環型社会の実現を目指す。

 本取り組みは、新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された「炭素資源循環型の合成ゴム基幹化学品製造技術の開発」事業(ゼオンと横浜ゴムが実施)の一環。同社は、本施設で研究開発を加速させることにより、2034年に植物原料からブタジエンとイソプレンを直接生産するバイオ技術の事業化を目指す。なお、本施設は山形県企業立地促進補助金の助成対象として認定を受け、山形県より建設費の一部補助を受けている。

研究棟外観

研究棟外観

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー