デンカは5月30日、都内で経営説明会を開催した。
説明会では、①経営計画「Mission 2030」見直しと課題認識、②企業価値向上策、③挑戦するための組織作り、④財務戦略とカバナンスの項目で進められた。
石田郁雄社長は経営計画「Mission 2030」見直しと課題認識を解説した。
石田社長は企業価値を向上するために、「組織として挑戦したくなるような、そしてそれが評価されるような仕組みや組織風土あるいは文化が重要だ」と述べ、2026年度の目標数値として、構造改革や事業戦略を推進し、営業利益ベースでの過去最高益を目指す考えを示した。
石田社長は「24年度は構造改革に伴う特別損失を計上したことにより、ROEは大幅に悪化した。25年度以降、持続的な成長や資産効率性の観点から実施したポートフォリオ変革の効果や業績回復策を確実に実行させていく。26年度は目指すべき姿として、21年度の営業利益が過去最高益の401億円だったため、営業利益400億円以上を目指し、そしてROE(自己資本利益率)を7%以上を高めていく」と言及した。
収益課題では、米国のクロロプレンゴム事業の不振、電子・先端プロダクツの先行投資の回収遅れ、ポリマーソリューションの業績停滞、全社的なコスト負担増に加え、組織風土改革への挑戦を挙げている。
米国のクロロプレンゴム事業などが含まれるエラストマー・インフラソリューションの事業戦略では、構造改革の利益寄与とクロロプレンゴム事業の収益向上によるキャッシュの創出を目指し、「クロロプレンゴム事業の抜本的な対策を取り組むことで、25年度以降に大きな効果を発揮する。25年度は24年度比で営業利益でプラス90億円、26年度は同プラス150億円の効果を見込む」(石田社長)。
また、エラストマー・インフラソリューション事業の中心となる新潟にある青海工場で水力発電によるメリットを最大限活用し、低コスト生産を行うことにより、収益安定化を実現し、キャッシュカウ化事業へとシフトしていく。
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