住友理工、イノカと協業開始 自然再興推進に向け事業創出

2025年06月05日

ゴムタイムス社

 住友理工は6月3日、人工的にサンゴ礁などの海洋生態系を陸上に再現できる「環境移送技術」を有するベンチャー企業、イノカとの協業を開始したことを発表した。

 同社グループは、「住友理工 環境長期ビジョン2050」において、自然資源や自然環境を事業活動によって破壊することなく、後世に引き継いでいく責任があることを認識し、「脱炭素社会(カーボンニュートラル)」や「資源循環型社会(サーキュラーエコノミー)」「自然共生社会」の実現に貢献することを掲げている。今回の協業は、自然共生社会の実現に向け、イノカとともに同社の技術や素材の海洋領域への展開可能性を探索し、社会課題の解決やネイチャーポジティブ(自然再興)推進に向けた新規事業の創出を目指す。

 地表の約7割を占める海洋は、海水温の上昇や酸性化、プラスチックごみの増加といった影響によってサンゴ礁の死滅や磯焼け、漁獲量の減少など様々な課題が深刻化している。このような課題を解決するため、海洋環境の保全と持続可能な活用に貢献できる技術開発が求められている。

 同社はコアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を起点に、「自動車(モビリティ)」「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」など多様な領域で社会課題の解決に取り組んできた。今回の協業を機に、新たに海洋領域への同社の技術や素材の展開可能性を探索し、持続可能な社会の実現、ネイチャーポジティブ推進に向けて取り組んでいく。

 現在、同社とイノカは、イノカの環境移送技術を活用して、同社素材の基礎評価に着手している。今後、実施する各種実験データをもとに海洋領域に適応できる独自素材を開発し、新製品への展開を目指す。また、同社はイノカが主催する「三河湾渚フォーラム」に2025年3月より参画しており、海洋領域における様々なパートナーとオープンイノベーションを推進し、活動を加速させていくとしている。

イノカの評価系イメージ

イノカの評価系イメージ

ウスコモンサンウスコモンサンゴを用いた同社素材の評価の様子①ゴを用いた当社素材の評価の様子①

ウスコモンサンゴを用いた同社素材の評価の様子①

ウスコモンサンゴを用いた同社素材の評価の様子②

ウスコモンサンゴを用いた同社素材の評価の様子②

 

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