東ソーは6月3日、バイオ原料を活用したクロロスルホン化ポリエチレン(TOSOーCSM)を開発し、量産化技術を確立したと発表した。バイオ原料を活用した製品の開発は、クロロスルホン化ポリエチレンとしては世界初となる。
TOSOーCSMは、工業用品、接着剤、ゴム引布、ハンドレールなどの身近な製品に幅広く活用されている。高い耐久性が特徴で、使用製品の長寿命化につながる原料として環境負荷低減に貢献してきた。
また、TOSOーCSMは一般的なプラスチックと比べると石油資源の使用量が比較的少ない素材だが、温室効果ガス排出量削減の観点から、さらなる使用量の低減が必要だった。
今回開発したバイオ原料を活用したTOSOーCSMは、長年培ってきたポリマー開発の知見とバイオ原料の活用により、石油資源の使用量を大幅に抑え、高い機能性を維持しながら環境負荷の低減を実現した。製品中の炭素原子のうち約90%以上をバイオ由来成分に置き換え、製品の製造から使用・廃棄までのライフサイクルを通して温室効果ガスの排出量を従来比約30%削減する。
同社は、長年培ってきた技術と経験を結集し、同製品のサンプルワークを進め、早期の上市を目指す。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、高機能ポリマー製品のさらなる環境負荷低減に挑戦し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
2025年06月05日