住友ゴムらがゴムローラー開発 CO2再資源化人工石灰石を使用

2025年05月30日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は5月28日、住友大阪セメントと共にCO2再資源化人工石灰石を使用したOA機器用ゴムローラーの開発に成功したと発表した。
 同製品には、原料に用いる石灰石をCO2再資源化人工石灰石(廃棄物に含まれるカルシウム源にCO2を鉱物固定して製造)に置き換えた合成ゴムコンパウンドを使用した。住友大阪セメントとの共同開発によるサステナブルなゴム製品は、今回が初の取り組みとなる。
 このOA機器用ゴムローラーは、世界の最先端技術が集う2025年大阪・関西万博の同社グループのパビリオン、住友館「ミライのタネ」にて展示されている。
 同製品では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトの一環で、住友大阪セメントが開発したCO2再資源化人工石灰石に置き換え、既存製品と同等の性能を持つことを確認したことで、CO2再資源化材料のゴム分野での有効活用が可能となった。このCO2再資源化人工石灰石は、セメント製造プロセスで発生する排ガス中のCO2を、廃棄物に含まれるカルシウム源に鉱物固定して製造されたものとなる。
 同製品は、CO2再資源化人工石灰石を充填材に使用することで、「CO2排出削減」と「埋立処分場の延命効果」を兼ね備えた環境性能を実現した。
 同製品で使用するCO2再資源化人工石灰石には1kgあたり約420gのCO2を鉱物固定しており、同社が生産しているOA機器用ゴムローラーすべてに適用された場合、年間で約36tのCO2削減が見込まれる。このようにCO2再資源化人工石灰石は、それ自身がCO2を固定化しているため、『単に混ぜるだけ』で高度かつ高効率なCCUを実現できる。
 同製品に用いられるCO2再資源化人工石灰石は、原料にカルシウムを含む廃棄物を再利用しており、廃棄物を減らすことで埋立処分場の延命に貢献できる。
 今後、製品への本格的な置き換えや量産レベルでの適用を目指す。さらに、タイヤ製品への適用拡大を検討していく。当社は「はずむ未来チャレンジ2050」のもと、サプライチェーン全体のカーボンニュートラル達成およびサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを加速させ、持続可能な社会の発展に貢献していく。

OA機器用ゴムローラー

OA機器用ゴムローラー

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