旭化成、供給体制を再構築 MMAやSBラテックスなど事業撤退

2025年05月29日

ゴムタイムス社

 旭化成は5月27日、同日開催の取締役会において、メタクリル酸メチルモノマー、シクロヘキシルメタクリレート、アクリル樹脂(製品名:「デルペット」、「デルパウダ」)とSBラテックスの事業撤退およびアセトニトリルの供給体制再構築方針(川崎精製工場閉鎖)について決議したことを発表した。
 これに伴い2026年3月期決算において、事業構造改善費用約250億円を特別損失として計上する見込みで、当損失については、すでに公表済みの2026年3月期連結業績予想に織り込んでいるため、現時点で業績予想の変更はなしとしている。

 同社は、『中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~』の基本方針のひとつに、構造転換や生産性向上による資本効率改善を掲げ、事業のポートフォリオを見直すとともに経営資源の再配分を進めている。
 今回の構造転換の対象である川崎製造所のアクリル樹脂事業、SBラテックス事業およびアセトニトリル事業は1963年に、またMMA事業は1974年に操業を開始して以来、50年超にわたり国内外の顧客に製品を提供してきた。
 しかし、近年、経済環境の低迷が長期化する中、原料コストの上昇による競争力の低下に加え、中国における石油化学製品の大規模な生産能力の増強を背景とした需給環境の悪化により、当該製品群の稼働率は低水準で推移しており、厳しい状況が続いている。こうした状況は構造的かつ不可逆的であると判断し、同社は川崎製造所において製造している当該製品群からの撤退を決断した。

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