エボニック、4つの分野に注力 戦略的成長で成績改善目指す

2025年05月29日

ゴムタイムス社

 エボニックインダストリーズは5月28日、5月22日にエッセンで開催されたキャピタル・マーケット・デーにおいて、戦略的成長における次なるステージについて発表したことを公表した。具体的には、2つの新セグメントにおける差別化されたポートフォリオの構築、持続可能なイノベーション、バランスの取れた地域的フットプリント、互いを尊重するパフォーマンス志向の企業文化、という4つの戦略的重点分野に注力していく。

 この戦略的重点分野に取り組むことで、2027年までに営業成績と財務成績の大幅な改善を目指す。今後、同社の主要財務指標となるROCE(使用資本利益率)は、約11%に引き上げる予定。この目標を達成するために、調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)を、基準年である2023年から10億ユーロ増額させる。この増額分は、「成長」プロジェクトとコストの「最適化」プロジェクトから等しく確保することを想定している。近年大幅に改善しているキャッシュ・コンバージョン・レートは、40%以上の良好な水準を維持する計画となる。
 「成長」プロジェクトでは、新設プラントの稼働率向上と3つのイノベーション成長分野における新製品から約5億ユーロの増益を見込んでいる。エボニックは、100%生分解性のバイオサーファクタント、バイオディーゼル用触媒、革新的なメンブレン(分離膜)など、魅力的で弾力性のある市場のニッチ分野で大きなシェアを占めている。
 「最適化」プロジェクトからも、さまざまなコスト削減プログラムを通じて、5億ユーロの増益を見込んでいる。これらのプログラムはすでに実施されており、代表的なものとしては「エボニック・テーラーメイド」のほか、アニマルニュートリション、シリカ、ハイパフォーマンスポリマーなどの事業における数多くの取り組みが挙げられる。調達における「ePro」プログラムの効果も期待されている。

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