三菱ケミの酵素剤が認定 米国食品医薬品局が安全と判断

2025年05月29日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルは5月28日、茶系飲料の混濁や渋味を抑制する酵素剤であるタンナーゼについて、米国食品医薬品局(Foodand Drug Administration)に GRAS(Generally Recognized As Safe、一般に安全と認められる物質)の届出を行い、このたび、FDA has no questionsのLetterを取得したと発表した。
 タンナーゼは、緑茶に含まれるガレート型カテキンやコーヒーに含まれるクロロゲン酸を加水分解することで、茶系飲料、果汁飲料、清涼飲料、フレーバーウォーター、ゼリー、植物抽出物の混濁や渋味を抑制する酵素剤。同社のタンナーゼは、世界に先駆けて1975年に製品化され、茶系飲料の製造における加工助剤などとして、日本国内を中心に高シェアを維持している。
 GRASは、米国における食品素材の安全性に関する考え方で、資格を有する専門家において一定の使用目的における条件下で十分に安全性があると認められた場合GRASに該当すると判断される。
 このたび、同社はタンナーゼについて、専門家の知見および経験、科学的データなどに基づいて安全性を確認し、FDAへGRASの届出を行った結果、安全性判断に疑問がないと結論づけたNo questions letterを受領し、届出手続きを完了した。
 なお、GRASと評価された酵素剤タンナーゼは、同社品が世界で初めてとなる。FDAが発行するGRAS Notice Inventoryに「GRN No・1192」として公開され、認知の拡大が期待されることを機に、米国を中心にグローバル展開を加速していく。
 同社グループは経営ビジョン「KAITEKI Vision35」において「食の品質保持」を注力事業領域のひとつに挙げている。同社はおいしさを長持ちさせて食の流通・加工プロセスを支える素材のグローバル展開を加速していく。

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