三井化学は5月26日、100%子会社である下関三井化学で製造している三フッ化窒素事業からの撤退を決定し、発表した。2026年3月末を以て生産を停止し、同年内に販売を終了する予定。
同社は長期経営計画「VISION 2030」において「未来が変わる。化学が変える。」をありたい姿に掲げ、事業ポートフォリオの変革を基本戦略として高成長・高収益のグローバルスペシャリティケミカル事業と、競争力のある誘導品を中核としたサステナブルなグリーンケミカル事業の2つを大きな柱とする、真のグローバルスペシャリティカンパニーを目指している。
同社はICTソリューション事業本部 半導体・光学材料事業部において半導体・液晶製造装置のクリーニングガスとして使用されるNF3事業を展開しているが、海外品との価格競争の激化、原料およびユーティリティ費用の増加、修繕費等のコスト上昇により、事業採算は極めて厳しい状況となっている。
こうした状況に対応し、あらゆる合理化・コストダウン等に取り組んできたが、事業を継続するための収益確保が困難と判断し、撤退することを決定した。
本件による同社グループ業績への影響は軽微であり、業績予想の変更はなしとしている。